FIAT 500e × 藤島知子 大きく進化もタイムレス! 元オーナーが語る魅力

公開 : 2022.05.24 11:50

FIAT 500e 3グレードの違い

電気自動車というと、せいぜい1つか2つのグレード構成というケースがほとんど。

その点、新時代の500においても、FIAT 500eは3つのキャラクターを設定しており、多様な選択肢を用意してニーズに応えていこうとしていることがわかる。

今回、撮影でハンドルを握った「500e OPEN(オープン)」はその名のとおりオープントップのルーフが解放的な気分に浸らせてくれるもの。

そもそも、オープンボディの電気自動車は現地点で唯一無二。ボディサイドの骨組みを残して自分好みの位置で幌を開けられる構造だから、一般道でも高速走行時でも車速にとらわれずに開閉できるのが嬉しい。

「500e ICON(アイコン)」と「500e POP(ポップ)」はハッチバックモデル。荷物の積載性を求めるならば、500e OPENよりも大きな開口部を備えているハッチバックのICON/POPが実用的だ。

500e ICONは500e OPENと同じタイヤサイズの17インチでレスポンスに優れたスッキリとした走りをみせるほか、LEDヘッドライトやエコレザーシート、運転支援機能を充実させて、先進的で上質な装備を求めるニーズに応えてくれる。

個人的には、乗り味の面でベーシック仕様の「500e POP」(受注生産)に驚いた。

ハロゲンヘッドランプなどのアナログ的な装備を配したシンプルな仕様といえるが、16インチの足回りはタイヤのたわみを感じとりながら、クルマと対話する実感をありありと伝えてくる豊かな乗り味で何とも愛おしく思えてしまった。

いずれのグレードもモータードライブの特色を楽しませてくれるものであるし、それぞれの日常において、愛着をもって向き合えることに何ら変わりはないと思う。

なにより、FIAT 500eの凄いところは左脳で電気自動車を所有するハードルの高さを考えるよりも前に、パワーユニットが何であるかは関係なく、素直に「乗ってみたい!」と思わせる魅力にあふれていることだろう。

FIAT 500e 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    藤島知子

    Tomoko Fujishima

    クルマ関連情報を走り好き目線と女性視点を交えながら紹介。テレビ神奈川の新車情報番組「クルマでいこう!」ではお茶の間の幅広い世代に向けて魅力を発信中。2002年よりモータースポーツに参戦、2021年はKYOJO-CUPやスーパー耐久でドライバーとして奮闘。日本自動車ジャーナリスト協会会員。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

関連テーマ

おすすめ記事