後輪駆動のポルシェ・タイカン、どんな感じ? ロングツーリングで見つめた最前線

公開 : 2022.05.20 11:55

BEVの最大の心配事をクリア

電源を入れ、メーターパネル内に表示されたバッテリー残量と航続距離をチェック。97%で414 kmだから、346 km先の「ヒルトン名古屋」までは余裕がある。

微かに青みがかったドロマイトシルバーのタイカンで、朝の首都高速に静かに合流する。

最初に驚かされたのは、その乗り心地だった。以前試乗したタイカン ターボ Sはエアサスを装備しており、路面をソフトに捉える様が印象的だった。

だがコイルサスのタイカンも、路面へのタッチがしっとりとしていて、エアサスのそれに似ていたのだ。

走りはじめてからしばらくの間、航続距離と走行距離の関係性が気になり、メーターを注視していた。

だが特にエコランを意識せず、東名高速の流れにのって走る限り、予想される航続距離よりも実際にオドメーターに刻まれていく数字の方が僅かに多いことがわかった。

BEVによるロングドライブの最大の心配事がクリアになり、そこからは力強い加速を楽しむ心の余裕も生まれた。

モーターをリアに1基だけ備えるタイカンだが、ポルシェの名に相応しいスペックを持っている。最高出力は326 ps(ローンチコントロール時のオーバーブーストでは408 ps)だが、件のパフォーマンスバッテリープラスのおかげで380 ps(ローンチコントロール時のオーバーブーストは476 ps)まで増強されている。

0-100 km/h加速は5.4秒で、最高速度は230 km/hに達するのだ。

信頼のおけるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)のおかげもあり、東京から名古屋への4時間ちょっとのドライブは、意外なほど短く感じられたのだった。

今のうちに知っておこう ポルシェ独自の充電インフラ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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