後輪駆動のポルシェ・タイカン、どんな感じ? ロングツーリングで見つめた最前線

公開 : 2022.05.20 11:55

シームレスに充電、CO2にも配慮

高速を降りヒルトン名古屋のエントランスにタイカンをつけると、すぐにドアマンがやって来て、地下3階の駐車場にポルシェターボチャージャーがあることを教えてくれた。

2台分の充電スペースが確保されたポルシェターボチャージャーは、そこだけ青白くライティングされ、まさにタイカンのためのショールームのような空間になっていた。

一般的なCHAdeMO規格の急速充電は50 kWだが、ポルシェターボチャージャーは150 kW(現在は冷却の関係で90 kWで運用されている)を誇る。

ここから「ロテル・デュ・ラク ~湖北の小さなオーベルジュ~」までの距離は105 kmなので、軽く充電できていれば航続距離は足りるはずだ。

ところがヒルトン名古屋でランチを楽しみ、さらに最上階から名古屋市街の展望を楽しんだ後クルマに戻ってみると、バッテリーの状態は100%、航続距離は440 kmと表示されていた。

名古屋の中心に位置する「ヒルトン名古屋」。名古屋の玄関口である名古屋駅と、ビジネスの中心地・丸ノ内、さらにショッピングの中心地・栄の中間に位置する。ポルシェターボチャージャーは地下駐車場に2機備わる。

思いがけずボーナスをもらったような気になり、奥琵琶湖までのルート上に、ちょっとしたワインディングを付け加えることを思いついたのだった。

それと同時に、先日聞いた魅力的なプランを思い出した。BEVは走行中にCO2を排出することはないが、しかし充電する際はその限りではない。

だがポルシェには愛車が関係して発生したCO2をオフセットできるポルシェインパクトというプランがある。

ポルシェインパクトは、車種ごとの走行距離や燃料消費率を考慮してCO2排出量を特定し、例えばベトナムや台湾の水力発電や風力発電など、オーナー自身が賛同したプログラムに対し相殺額を払い、CO2をオフセットできる。

タイカンの走りは静かで力強いが、オーナーの気持ち次第でさらにクリーンなカーライフを実現できるのである。

今のうちに知っておこう ポルシェ独自の充電インフラ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

関連テーマ

おすすめ記事