後輪駆動のポルシェ・タイカン、どんな感じ? ロングツーリングで見つめた最前線

公開 : 2022.05.20 11:55

RWDが生み出すピュアリティ

奥琵琶湖が近くなり高速道路を降りた後、気の向くままワインディングに分け入ってみた。

高速道路でクルージングする限り、タイカン ターボ SのようなAWDと、タイカンのRWDの走りの違いを感じることはできなかった。

フロントにモーターがないからと言って妙にステアリングが軽いということもない。

ステアリング上のセレクターでドライブモードをスポーツプラスに設定し、中速コーナーが連続するワインディングを気持ちよく流す。

床下バッテリーによる低重心がもたらすスタビリティの高さは相当なもので、ほとんどロールは感じさせない。

だがコーナーからの立ち上がりではリアが微かに沈んだ刹那、力強い加速が立ち上がる。

E-Sport Soundの心地よい「音」と相まって、やはりタイカンは911 カレラに通じるキャラクターの持ち主なのだと感じた。

パワー的にも全く不満はなかった。パフォーマンスプラスバッテリーを装備したタイカンの車重は2170 kgだが、それでもターボ S(パフォーマンスプラスバッテリーは標準装備)より約200 kg軽い。

ポルシェらしい純粋なドライビングを楽しむ場合、タイカンというベーシックグレードが欠かせないのだ。

琵琶湖を見渡すことができる丘の中腹にある「ロテル・デュ・ラク ~湖北の小さなオーベルジュ~」は全15部屋というこぢんまりとした隠れ家的なオーベルジュ。

琵琶湖国定公園の中に位置する「ロテル・デュ・ラク ~湖北の小さなオーベルジュ~」は敷地面積4万坪と言われ、琵琶湖のほとり水辺から敷地は始まり、ホテルの裏山まで緑豊かで、静かな場所に位置している。ホテルはその自然を生かした地形の中に佇み、全15室となる。

駐車場の一角にあるポルシェデスティネーションチャージングステーションにタイカンを止めれば、1泊のホテルステイの間にバッテリーを満たすことができる。

翌日の帰路は少し遅めのスタートとなった。途中の充電スポットはポルシェセンター静岡に決めた。

夜だからすでにディーラーの営業は終了していたが、ポルシェターボチャージャーは24時間利用することができる。

食事をとる間の僅か30分ちょっとの充電だったがバッテリー容量が85%まで回復。最後までストレスフリーなロングツーリングを楽しむことができた。

ベーシックというよりピュア。タイカンはRWDという言葉に心躍るファナティックの期待に応えてくれる1台だった。

今のうちに知っておこう ポルシェ独自の充電インフラ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

関連テーマ

おすすめ記事