見た目の違い、控えめ されど大きな走りの違い スピードとV8 ベントレー・コンチネンタルGT 比較試乗
公開 : 2022.06.03 11:55
「わかっちゃないな」と一蹴できず
だからだろうAUTOCARの若きスタッフ2人は、そのエキサイティングなバブリングサウンドと軽快なハンドリングをして、「V8が好きだ」と言い放った。
「わかっちゃないな」と一蹴するのは早計で、これこそがベントレーの求める「Z.Generation」への期待であり回答なのだろうと直観した。
メッキトリムを廃して敢えてブラックアウトしたグリルや、カーボン製のサイドステップ、こぶりなガーニーフラップを見ると、確かに筆者の気持ちまで密かに若返ってくる。
われわれ大人たちが踏み荒らした世界を受け継ぐ立場として、Z世代はエシカルな企業を好む。
アクセルを踏み込めば荒々しいV8サウンドを放つ一方で、平時には4気筒を休止して環境負荷を減らす二面性を尊重する世代である。
彼らにとってモノ足りないのは今時のクルマたちが持つ巨大な液晶スクリーンでユーチューブを見られないことくらいだろうか?
それも電動化を伴うモデルチェンジの頃には当たり前のように得られるだろうから、老婆心ながらに言えば今はこの最後のピュアICEがもたらす世界観を、思い切り楽しんで欲しいと思う。
そして心とドライビングが成熟したら、ぜひW12スピードのステアリングを一度握ってみて欲しい。
それにはもうあまり時間はないけれど、コンチネンタルGTを愛機に選べる若者たちならば、それもきっと可能なはずである。