なぜ「ラングラー」は、10年前の7倍売れているのか？ 現代のジープが選んだ進化とは
公開 : 2022.06.08 07:50
クルマの楽しさって、こういう事
とりわけ著しい進化を遂げたのは、快適性だろう。ラングラーは昨今の流れに迎合したりはせず、乗り心地の面では不利なのを承知のうえで、自ら定めた厳格な悪路走破の基準をクリアすべく、強度が高く頑丈で耐久性にも優れるラダーフレームとリジッドサスペンションの組み合わせを採用し続けている。軸足にブレはない。だから先代までは少々我慢が必要な場面もあった。
が、現行モデルではそこがだいぶ穏やかになった。普通のSUVと較べればゴツい感じはあるし上モノが揺さぶられる感覚もなくはないが、不快さはないし、逆に“これが味”と楽しめてしまうレベル。日々の暮らしにもやせ我慢なしで溶け込める。
室内も然り、だ。ダッシュボードは悪路走行時に役立つ水平基調のデザインを踏襲しつつも、そこには現代の自動車として多くの人が望む装備類が、タフな走りのための操作系と矛盾も見せず組み込まれている。シートは汚れに強いリアルレザーで座り心地もよくなり、スマホ連動型のタッチパネル式インフォテインメントシステムも備わり、街でも悪路でも有効なフロントとリアのモニタリング用カメラも装備されている。
譲れないところは譲らない。改めるべきところは改める。正しい進化とは、こうあるべきなのだ。
