そもそもスポーツカーとは? ポルシェ カイエンで検証 なぜカイエン? それは……

公開 : 2022.07.01 11:40

ポルシェ カイエン E-ハイブリッド クーペを駆りPEC東京へ。カイエンGTSを徹底的に走らせ「スポーツカー」の定義を改めて考えます。

もくじ

スポーツカーとは、何だろうか?
自信を抱いてコーナーに進入する
オーバーステアという「選択肢」
「スポーツカー」もう1つの定義

スポーツカーとは、何だろうか?

AUTOCAR JAPAN sponsored by ポルシェ ジャパン

早いものでポルシェ カイエンがデビューして20年の歳月が過ぎた。

ポルシェが「スポーツカー」と標榜する歴代カイエンは、SUVスタイルのボディを与えられていながら、並みいるスポーツカーさえ凌駕するパフォーマンスを発揮。

最新のポルシェ カイエン E-ハイブリッド クーペもまた、最高出力340 psのV型6気筒3.0 Lターボエンジンに136 psの電気モーターと17.9 kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッドタイプのスポーツカーとの位置づけで、そのシステム出力/トルクは462 ps/700 Nmにも達する。

そう聞いて「SUVのカイエンがスポーツカー?」と訝しがる読者もいるはず。

しかし、ポルシェ自身がカイエンをスポーツカーと主張する理由が私には理解できる。

なぜなら、カイエンはスポーツカーに求められる要件を立派に満たしているからだ。

これについて説明する前に、「スポーツカーとはなにか?」という定義を明確にする必要があるだろう。

スポーツカーとは、ドライバーが思いどおりに操れるクルマのことだと私は考える。

そのためには、クルマを機敏に加速させるための適切な動力性能が必要なほか、ドライバーの操作に的確に応えるシャシー性能が求められる。

しかし、これだけではスポーツカーとは呼べない。なぜなら、クルマを思いどおり操るのに必要なインフォメーションがドライバーに与えられなければいけないからだ。

木更津市に建つポルシェ・エクスペリエンスセンター東京にカイエン E-ハイブリッド クーペで向かっているとき、私は、舗装の状態やタイヤが路面を捉えている様子を、ステアリングを通じて克明に感じ取っていた。

なぜなら、カイエンはポルシェの他のモデルと同じように、ステアリングインフォメーションが実に豊潤で、表現力が豊かだからだ。

この感触を味わっているだけで、「ああ、私はいまポルシェを操っているのだ」と実感できる。

その意味でカイエンは紛れもなくポルシェファミリーの一員であり、スポーツカーに求められる重要な要件のひとつを満たしていると確信できたのである。

では、カイエンの動力性能とシャシー性能はスポーツカーに求められる基準に達しているのだろうか?

ポルシェ・カイエン全モデル 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

関連テーマ

おすすめ記事