サステナブルツアー ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドで訪ねる新梅田シティ

公開 : 2022.07.08 16:55

時代が求める「快適」とは

梅田スカイビル下にある「中自然の森」へ入る。「中自然」とは「大自然」(人間が全く手を加えていない自然=アマゾン等)と「小自然」(都市の中に人間が人工的に作った自然)との中間を意味する。3800平方メートルの広さで、イロハモミジ(32本)、ツガ(29本)、山桜(21本)をはじめとする50種2100本の植物が植栽される

未来のラグジュアリーカーのあるべき姿を、より具体的なかたちで提唱し、それを証明しはじめているベントレー。

ベンテイガ・ハイブリッドと四季を彩る草花で溢れる希望の壁がよく馴染むのは必然なのかもしれない。

ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドは、ことさらにハイブリッドであることを主張しない。外観からわかるのは、ボディサイドにそっと置かれた「Hybrid」のエンブレムくらいである。

希望の壁をくぐってエリアの中に入ると、少し空気がひんやりと感じられるのは偶然ではないだろう。

新梅田シティには多くの会社があり、ホテルや商業施設、そして生命が宿る里山と森がある。

これらには関連性があるという点も強調しておくべきだろう。里山でとれた作物は、施設の中で提供され、一方施設から出た水は濾過され再び土を潤す。

話を聞けば聞くほど、理路整然とした都会的な施設の中に持続可能な自然環境があることへの驚きが湧いて、それが心地よさの源泉になっていく。

「中自然の森」と繋がる「新・里山」。約200平方メートルの「里の棚田」のあぜ道にて。石積みは、野生の生き物に配慮し、できるだけ隙間を残した自然の石組みにしているという。
施設のいたるところに彫刻が配置されている。ここ「新・里山」の彫刻は、生であるものは全て死に絶え、土にかえる。生物が土にかえってこそ大地はいつも覆われているというメッセージが込められるという。なお、ここでの収穫物はオフィスワーカーを中心に消費される。その野菜の使わない箇所や、剪定や除草による木や草のくずもゴミとして処分せず、場内で堆肥化して再利用。実際に枯れ葉を持ち上げると暖かく、水蒸気が立ち上った。水辺では列柱滝から流れる水の循環の下、様々な水生昆虫などの生を育む。

極上の移動空間として完成されているベンテイガ・ハイブリッドにも似たようなことが言える。

最新のブリティッシュ・ラグジュアリーカーの伸びやかでフラットな走りは、革新的な機構と職人によって受け継がれてきた技術や様式美がほどよく混ざり合うことで実現している。

だが今日の自動車の「ポテンシャル」を実車の動的な部分だけで推し測ることはできないはずだ。

ストーリーの背景を知ってしまえば、クルー工場の持続可能な生産環境の存在こそが、ベンテイガ・ハイブリッドの心地よい空気感に直結しているのだと理解できる。

EV走行による静寂に浸ったあと、われわれはベンテイガ・ハイブリッドの「快適な速さ」に触れるべく阪神高速を南下した。

ベントレーのドライバビリティを更に味わうために、梅田から更に足を伸ばすことに決めた。和歌山県の由良風力発電所にて。

ベントレー・ベンテイガ・ハイブリッドの真価は、充電を必要以上に意識することなく、モーターによる力強いアシストとともに手軽に距離を伸ばせることにある。

ベントレーが標榜するサステビリティに裏打ちされたモータリングの未来。ベンテイガ・ハイブリットはその循環の中でひときわ強く輝いている。

ベントレー・モーターズ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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