ハイブリッドのルノー・ルーテシア どんな人に最適? スムーズでやわらか 体感

公開 : 2022.08.03 18:40

もうひとつの美点 抜群な乗り心地

スタート用クラッチを持たないEテックは必ずモーターの力で発進するが、低速域で強大なトルクを生み出すモーターのおかげで、その走り出しは実に力強く、しかも滑らか。

車速が30km/h前後に達すると今度はエンジンも始動するが、前述のとおりエンジン自体が静かで滑らかなため、その存在にほとんど気づかないといっても過言ではない。

しかも、加減速の際にはドッグクラッチが活躍するので、ハイブリッドでよく指摘されるラバーバンド・フィール(節度感の薄い加減速感)もなく、ダイレクトで爽快なドライビングフィールが楽しめる。

高速燃費が際立っているのもEテックの特徴のひとつで、川崎市側から東京湾アクアラインで木更津側にわたった際には30km/L近い燃費を記録。復路でも25km/Lを割ることはなかった。

乗り心地がバツグンに快適なこともルーテシアEテックの美点といっていい。段差を乗り越えたときのショックを優しく受け止めるだけでなく、路面の凹凸にもしなやかに追随して安定したグリップ感を生み出してくれるほか、高速走行時にもボディをフラットに保ってくれるあたりは、ルノーの伝統的なシャシー性能を最良の形で受け継いでいるといっていい。

これは安定志向の強いハンドリングについても同様。しかも、アダプティブクルーズコントロールやレーンセンタリングアシストといった最新の運転支援装置を装備しているところも、ロングクルージングに出かける機会の多いドライバーにとっては嬉しいところだ。

これほど走りが快適なうえに小気味よくて、高速道路での燃費もいいコンパクトカーは、ほかにないといってもいいくらい。

ルノーが作ると、ハイブリッドカーもやはりひと味違ったものになるようだ。

ルノー・ルーテシア 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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