キャデラックCT5を体験 デジタル世代が感じる「セダン像」 推しグルマになったワケは?

公開 : 2022.12.01 17:30

走れば好バランス ADASは全部乗せ

いつの時代も誇りを持って名車を作り続けてきたキャデラック。

代名詞であるアメリカンラグジュアリーセダンの伝統は“革新”によって守られてきたように思う。このCT5はまさにそれを体現した1台といえる。

エンジンはGM新設計のLSY型、2リットルの直4ターボユニットを縦置きに搭載する。最高出力240ps、最大トルク35.6kg-m。組み合わせるトランスミッションは10速ATだ。

気筒休止やアイドリングストップ機構が備わり、始動時から巡行まで振動もなくスムーズ。その一方でトルクが太いエンジン特性により、低速から素早く過給、力強い走りを実感することができる。

試乗を終えたイケダンの第一声は「キャデラックじゃないみたい!」。

彼がイメージしていた柔らかい乗り味は皆無で、むしろ硬めのサスペンションに驚く。走りはスポーティながらハンドリングはいたってナチュラル、このバランスが秀逸だという。

足元が広いと感じたリアシート部分はクラス最大級のスペースが確保される。シートは「スポーツ」らしくやや硬めながらホールド性に優れており、長距離でもストレスフリーで心地良いドライブが楽しめそうだ。

日本の道路事情にマッチしたサイズ感も魅力のひとつ、運転席からフロントフードが見え、車幅感覚が認識できて安心。

エンジンの回転も軽やかながらトルクフルで、普段使いでも長距離ドライブでもストレスなく運転できそうだと語る。

「近所のスーパーの駐車場の精算機が左ハンドルに対応してないからその不便さはある。だけどライバル的な欧州プレミアムと並べたら僕は絶対CT5を選ぶよ!」

もはやオーナーさながらの正直な感想だ。

“欲しいクルマ”の基準を変えた先進機能

加えて安全機能の充実さも実感したイケダン。たとえば、走行中に見落としそうになった歩行者をアラートで知らせ、シートのバイブレーターで警告する親切さは初体験。

HDカメラが車両の全周を見張り、危険を知らせてくれる。スマートフォンを置くだけで急速充電できる15Wの高出力ワイヤレスチャージャー搭載。他車ではオプション扱いが多いなかCT5は標準装備される。

また、カメラで撮影した映像を表示するスマートリアビューミラーや、360度の映像で駐車をアシストする機能性にも言及していた。

安全で快適な走行を約束する先進デジタル機能は、キャデラックが誇る革新の部分。それらがフルに標準装備され、オプション設定はETCとドライブレコーダーのみ。基本性能に加え、装備品をほぼパーフェクトに備えるあたりもプレミアムブランドの証といえる。

▶️キャデラックCT5 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 執筆

    小原れみ

    大学在学中に創刊されたアメリカの自動車カスタム文化を紹介する雑誌に影響を受け、インターンシップを経て編集部員に。1996年よりフリーランスのライターに転向。米国車やカスタム車両専門誌の執筆を中心にアメリカン・カルチャー全般を担当する。愛車は、熟練ビルダーである夫の指導を受けてフレーム製作から始めた1932年式フォードのホットロッド。無類の工具&ネジ好き。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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