異例! たったの5か月/たったの1車種 全EV販売を塗り替え 日産サクラ3つの魅力

公開 : 2022.12.26 05:45

最大の理由 乗り心地/静粛性

サクラの最大の魅力、それは乗り心地のよさと静粛性の高さにあるというのが私の意見だ。そしてこれらは、EVだからこそできた特徴だと私は捉えている。

「EVだから静かなのはわかるけれど、乗り心地とEVに、なにか関係あるの?」

そんな風に思われる方もいるかもしれないが、EVと乗り心地の間には深い関係がある。

自動車の足回りをある程度以上硬くしなければいけない理由の1つに、ピッチ(加速時や減速時における前後方向の揺れ)とロール(コーナリング時などに起きる横方向の揺れ)を抑えることが挙げられる。

ピッチやロールがあまりに大きくなるとクルマの姿勢が不安定になってタイヤの接地性を確保できなくなったり、ひどい場合には横転する恐れがあるからだ。

しかし、バッテリーを車体の低い位置に搭載するEVはエンジン車よりも重心を低くするのに有利。そして重心が低くなれば、同じ車重、同じサスペンション・スプリングでもピッチやロールを小さく抑えることができる。

これを逆手にとれば、エンジン車よりもEVのほうがソフトなスプリングを使えるのは自明の理。

つまり、サクラは低重心設計というEVのメリットを最大限生かすことにより、車体の安定性と快適性を高い次元で両立したのである。

サクラの静粛性に関してはいわずもがな。しかも、エンジンを積んだ軽自動車が苦手とする加速時や急な坂を登坂しているときにも、車内の静けさに一切、変化が起きないところは大きなメリットといえる。

続いてサクラの美点として挙げたいのが、走りの力強さである。

日産サクラ 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    安井宏充

    Horomitsu Yasui

    1985年東京生まれ。東京総合写真学校卒業後、株式会社KIPS入社。石井功二、西崎博哉に師事する。現在は広告/雑誌を中心にクルマ/バイク/ファッションの幅広い分野で活動。幼少から無類のクルマ好きで自宅にはポルシェGT3/マクラーレンセナGTR(いずれもレゴ)を所有。クルマもバイクも撮るよりも実は乗るほうが好き。編集部の上野さんよりしつこいオファーを受け、AUTOCARでの初仕事は「日産サクラを史上最高にカッコ良く撮影してほしい」とのリクエストへの挑戦だった。instagram:@hiromitsuyasui_weekend

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