ジープ・コマンダーに藤島知子が試乗 都会派SUVの絶妙なポジション

公開 : 2023.01.27 18:00

ハンドルを握るだけでワクワク

ジープ・コマンダーは2022年の導入当初から装備を充実させたリミテッド仕様が登場。直列4気筒2Lのディーゼルターボエンジンを搭載し、9速ATと組み合わせされた四輪駆動の仕様になっている。

運転席に乗り込むと、アイポイントが高くて見晴らしが良く、都会を走るシーンであっても、頼もしいクルマに乗っている非日常感を満喫させてくれる。

ディーゼルだけあって、低回転からゆとりのトルクを漲らせるのが特徴だが、なめらかに走らせていける心地よさが得られる。ファミリーカーとしても快適に過ごせそうだ。

時折、加速シーンで力強いビート感を奏でる場面もあるが、個人的にはこれはこれで頼もしい感じがして嫌いじゃない。

車体はそれなりの大きさはあるもののリズミカルに加速していける感覚で、アクセルを踏むと自分の期待通りの場所に車を持ち込める。穏やかに流そうという気分の時はゆったりにも走れる。

狭い場所や車庫入れで重宝したのは、死角を補うカメラ機能。フロントカメラ、リアカメラに加えて、車両の周囲360°の状況を確認するのに役だってくれる。

都会にもアウトドアにも映えるプレミアムなデザイン、走らせやすいサイズ感や家族の1台として、日常からレジャーまで活用できる室内空間がバランス良く備わっていることがコマンダーの魅力といえる。

「グランドチェロキーだと大きすぎて持て余すかも知れない」とか、「ラングラーは憧れるけど、日常的なシーンで快適に使いこなせるオフローダーがあったら……」というニーズに見事に応える選択肢だと思う。

一見すると洗練された都会派のSUV、でもよく見てみると、砂地、泥、雪といった、厳しい路面状況を安定した状態で走らせる卓越したオフロード性能が備わっているあたりもニクい。

長い歴史の中で輝いてきたジープが、ジープであるべきスタンダードはその辺の都会派SUVでは敵わない領域にあるのかと思うと、このクルマのハンドルを握っているだけで、何だかワクワクしてきてしまうのだ。

ジープ・コマンダー 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    藤島知子

    Tomoko Fujishima

    クルマ関連情報を走り好き目線と女性視点を交えながら紹介。テレビ神奈川の新車情報番組「クルマでいこう!」ではお茶の間の幅広い世代に向けて魅力を発信中。2002年よりモータースポーツに参戦、2021年はKYOJO-CUPやスーパー耐久でドライバーとして奮闘。日本自動車ジャーナリスト協会会員。2021-2022日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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