カジュアルなフラッグシップ ジープ・グランドチェロキー・リミテッドの真価
公開 : 2023.02.17 19:00
オフロード生まれ 充実の装備
今回の試乗では少しだけ寄り道をして、林道や大きな石が転がる河原でもドライブを楽しむことができた。
カメラマンの要望に応えてちょっとした段差に前輪を乗せた時に、これまでにないグランドチェロキーの真価を実感した。
サスペンションをフルストロトークさせる際の軋み音とは無縁のモノコックボディにまず感心させられたし、対角線上のタイヤが浮く寸前になっている様子も車体を通してつぶさに感じられる。
また、その際の車輛全周を映し出すカメラも実用的で、ボディの大きさや死角を感じさせなかった。
高速道路でドライブモードをAUTOに設定し、ACC(アダプティブクルーズコントロール)で楽ちんなドライブを楽しんでいる限り、グランドチェロキー・リミテッドは最新の普通車のように振舞っている。
だが状況が変わるとクルマ自体が的確に反応し、オフロード生まれのタフなDNAが顔を覗かせるのだ。
また、リミテッドはグランドチェロキーのスタンダードモデルという位置づけであるにもかかわらず、ADASをはじめとする安全装備も見劣りしない点も感心させられた。
確かにサミットリザーブや4xeといった上級モデルは相応のプレミアムな世界観を提供してくれる。
でもだからと言ってスタンダードモデルであるリミテッドが様々な装備を省略した廉価版というわけではない。
それはカジュアルなジープの最高峰と呼ぶべき魅力的な1台だったのである。