静寂で見えてくるもの ジープ・グランドチェロキー4xe PHEVならではの魅力

公開 : 2023.02.28 18:30

眼を見張る内装のクオリティ

走行モードに応じて車高調整が可能なエアサスペンションは節度感のある乗り心地をもたらすとともに、正確なステアリングを実現。

車高が最も高い状態(左)と低い状態(右)

都心の一般道ではキビキビとしたハンドリングを、高速道路でも安心感溢れる走りを披露してくれた。

パワートレインのレスポンスが良好なことも印象的。とりわけ良好だったのが、低回転域から力強いトルクを素早く生み出してくれる点。これは、混雑した都市部の交通をストレスなく走り抜けるのにも役立つだろうし、滑りやすい路面のオフロードをていねいに走り抜ける際にも威力を発揮してくれるはず。

そして、スロットルペダルを深く踏み込めば、抜けのいい快音を響かせてくれる。したがって、実用性や環境性能だけでなく、官能性も備えたパワートレインといえる。

しかも、新型グランドチェロキーはインテリアの質感が飛躍的に向上している。私はかつてジープ・ブランドのインテリアデザインを統括するクリス・ベンジャミンにインタビューした際、うっかり口を滑らせて「もはやインテリアのクオリティはヨーロッパ車並みですね」と語ったことがあるが、そのときベンジャミンはこんな風に答えてくれた。

「ドイツ人はドイツ製品が好みでしょうし、イギリス人はイギリス製品を好むでしょう。でも、アメリカのお客さまは、それがどの国で作られたかによって製品を評価することはありません」

「いいものであれば、それが日本製でも韓国製でもヨーロッパ製でもアメリカ製でもかまわないのです」

「いっぽうで、アメリカの消費者のクオリティへの要求度が高まっているのは事実で、一定の洗練さ、一定の質感などが確実に求められるようになっています」

「なぜなら、いくらエクステリアデザインのいいクルマでも、運転席に乗り込んだあとで落胆したくはありませんからね」

まさに、そのとおり。サミット・リザーブ 2.0L 4×eに乗り込んだとき、インテリアのクオリティには多くの人々が目を見張るはず。

それは、クルマに上質感を求める日本人の期待にも十分に応えられる仕上がりといえる。

これもまた、新型グランドチェロキーの大きな魅力と言って間違いないだろう。

ジープ新型グランドチェロキー 公式サイトでみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    大谷達也

    Tatsuya Otani

    1961年生まれ。大学で工学を学んだのち、順調に電機メーカーの研究所に勤務するも、明確に説明できない理由により、某月刊自動車雑誌の編集部員へと転身。そこで20年を過ごした後、またもや明確に説明できない理由により退職し、フリーランスとなる。それから早10数年、いまも路頭に迷わずに済んでいるのは、慈悲深い関係者の皆さまの思し召しであると感謝の毎日を過ごしている。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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