雪だけじゃない! オールシーズンタイヤ「VECTOR 4SEASONS」 GEN-3の進化点を探る

公開 : 2023.04.25 07:00

週末の「過ごし方」 広げるのもタイヤ次第

オールシーズンタイヤはパターンノイズやロードノイズがやや大きいというイメージを覆していて、ザラザラと荒れた路面でも耳障りな高周波ノイズがない。

ゴーガーという低周波なノイズは聞こえてくるが、むしろ路面状況を伝えてくる自然な感覚だ。知らないで乗っていたらサマータイヤと勘違いするだろう。

今回は、キャンプなどアウトドアに出かけることを想定してラフロードにも足を踏み入れてみた。

突然の雪に…だけではない M+S性能

砂利の多い路面、水たまりのある泥濘路なども走ったが、グニャグニャとした滑りやすい路面でもタイヤがしっかりと食い込んでくれる感覚があって頼もしい。

さすがはM+S(マッド+スノー)表記のあるタイヤだけあって、ラフロードでの性能はサマータイヤ以上なのだ。

泥濘地で心強いのが「M+S」のマーク。アウトドアの楽しみ方を広げてくれるはずだ。その隣が、高速道路の冬タイヤ規制でも走行を許される「スノーフレークマーク」。

ちなみにプジョーはSUVであっても基本はFF(PHEVを除く)。以前に、その理由をエンジニアに確かめたことがあるが、プジョーはとくにショックアブソーバーの性能に自信があり、それゆえの高いシャシー性能と現代の優れたESP等の電子制御を組み合わせれば十分な性能が実現可能で、軽量シンプルでもあるとのことだった。

2008にもアドバンスドグリップコントロールが装備されていて、ノーマル、スノー、マッド、サンド、オフ(ESC解除)と5つのモードとヒルディセントコントロールが用意され、路面に合わせた適切な制御を得られる。

実際にFFとしては高いラフロード性能があり、VECTOR 4SEASONS GEN-3との組み合わせはアクティビティを高めてくれるはずだ。

今回は砂利の多い路面だったが、タイヤの溝にはまった石を遠心力で排出するセルフクリーニング性能に優れているのもVECTOR 4SEASONS GEN-3の嬉しい特徴だった。

夏性能に関してはサマータイヤとほとんどかわらず、ラフロードでは頼もしい性能を発揮してくれるVECTOR 4SEASONS GEN-3は、SUVおよびアウトドアが人気となっている昨今にぴったりのモデルだろう。

スタッドレスタイヤのように履き替える手間がなくて便利だね、というだけではなく、GEN-3への進化によって独自の強みを持つにいたったのだ。

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記事に関わった人々

  • 執筆

    石井昌道

    Masamichi Ishii

    1967年生まれ。自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。ワンメイク・レースへの参戦も豊富で、ドライビング・テクニックとともにクルマの楽しさを学んできた。国産車・輸入車のいずれの知識も幅広く、ジャンルを問わない執筆活動を行う。最近では、エコドライブの研究、それを一般ドライバーへ広く普及させる活動に力を入れている。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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