ジープ・ラングラー4xe 電動時代の「アンリミテッド・ルビコン」で新しい冒険へ!

公開 : 2023.05.01 12:05

ラフロードで知る、「4xe」の真価

富士五湖近辺のオフロードは、朝方の雨が残った泥濘路や大きめの石がゴロゴロと転がった路面などがあって、ラングラーに持ってこいのシチュエーションだった。

エレクトリックモードを選択して足を踏み入れていくと、エンジン音がなく静かなため、ズサザザッというタイヤと路面が触れあう音がクリアに聞こえてきて新鮮だ。

ルビコンはオフロード性能を高めるマッド&テレインタイヤが装着されているので、滑りやすい路面でもタイヤがしっかりと食い込んでいることが音からもわかる。

オフロード走行において、タイヤと路面のグリップ状況を把握することは最重要項目だが、音もインフォメーションの1つであり強力な武器だ。まずそれが4xeのメリットとなる。

登り坂で大きな石を乗り越えていく際には、微速前進しながらアクセルでトルクを制御していったのだが、モーターはちょっとしたペダルの踏み加減までレスポンス良く反映してくれるので、この上なくコントロールしやすい。

ドライバーの意志が寸分違わず伝わり、誤ってタイヤを滑らせてしまうなんてこともない。

回生も4輪で ラングラーの新時代

勾配のきつい下りでは“Max Regen“を機能させていると、適度に速度を抑えることが容易く、これまた乗りやすかった。

4×2では駆動輪である後輪に回生ブレーキが働くが、4×4ならば4輪で働くので路面が悪い状況でも高い安定性が得られる。

ラングラーは悪路走破性が高いのは当然だが、4xeはとくに低速域で険しい路面でのコントロール性に優れていて安心感が高まるのが大いなるメリットだ。

バッテリーを積んでも、荷室の広さを維持

充電は家庭用200Vの普通充電に対応。外出先でも普通充電器と呼ばれる公共充電器を利用することができる。

バッテリー容量は15.46kWhなので下限の充電量からでも、一般的な出力3kWのタイプならば概算で5時間、高出力の6kWのタイプならば2.5時間ほどで満充電になるはずだ。家庭ならば一晩で十分な充電量が得られるのはもちろんのこと、買い物中の公共充電器利用でも有効だろう。

バッテリーは後席下部に配置されているので、低重心化が図られてシャシー性能にいい影響を及ぼすとともに、ラゲッジルームがまったく犠牲になっていないのも嬉しい。

ラングラー・アンリミテッド・ルビコン4xeはモーター駆動ゆえ、オフロード性能を引き出しやすいという特性が、まずは大きな魅力だった。それは想像した通りだったのだが、オンロードでもドライバビリティが高まっているのが驚きだった。

そもそも現行のJL型は、元来の圧倒的なオフロード性能に加え、オンロードでの扱いやすさを進化させたのが特徴だが、それをさらに高めているのだ。

ラングラー・アンリミテッド・ルビコン4xe(アールC/C):1030万円

時代に合わせた環境対応というだけではなく、PHEVのシステムを賢く使い全方位的に走りの魅力を引き出しているラングラー・アンリミテッド・ルビコン4xeは、ジープ・ブランドを象徴するフラッグシップといっても過言ではないだろう。

ジープ「ラングラー4xe」 公式サイトを見る

記事に関わった人々

  • 執筆

    石井昌道

    Masamichi Ishii

    1967年生まれ。自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。ワンメイク・レースへの参戦も豊富で、ドライビング・テクニックとともにクルマの楽しさを学んできた。国産車・輸入車のいずれの知識も幅広く、ジャンルを問わない執筆活動を行う。最近では、エコドライブの研究、それを一般ドライバーへ広く普及させる活動に力を入れている。
  • 撮影

    山本佳吾

    Keigo Yamamoto

    1975年大阪生まれ。阪神タイガースと鉄道とラリーが大好物。ちょっとだけ長い大学生活を経てフリーターに。日本初開催のWRC観戦をきっかけにカメラマンとなる。ここ数年はERCや欧州の国内選手権にまで手を出してしまい収拾がつかない模様。ラリー取材ついでの海外乗り鉄旅がもっぱらの楽しみ。格安航空券を見つけることが得意だが飛行機は苦手。

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