フィアット500Xとフィアット・ドブロ 家族目線で比較 意外? 迷ってしまう2台

公開 : 2023.06.05 18:25

すっきりパワフルな新顔 使えるドブロ

ドブロのボディが500Xと比べずいぶんと大きく見えるのは、角ばったスタイリングや無塗装の黒いバンパー故だろう。

またどこを切り取っても可愛らしい500Xに比べ、中央に新しい意匠のFIATエンブレムを掲げたドブロのフロントマスクからは端正な印象を受ける。

ドブロのシートの見た目はフロントもリアもボディ形状に似てすっきりと平板な印象だが、ほどよく沈み込んで体にフィットしてくるタイプだ。

リアシートは大人がゆったりと座れる独立したシートが3座並んでいる。またフロントシートの背面に折りたたみ式のテーブルが備わっている点も実用的といえる。

ドブロのリアゲートはバンパーの高さから大きく開いて便利だが、狭い駐車スペースではリアガラスだけ開く機能が重宝する。荷室はリアシートを起こしたままでも充分すぎる広さがある。

大きなベビーカーでもトランクケースでも気楽に放り込める容量があるのだ。これなら子どもが3人いても充分に対応できるし、友達やおじいちゃんおばあちゃんをよく乗せる場合にはドブロ・マキシを選ぶという手もある。

フィアット・ドブロの心地よさの理由として、天井の高さも挙げられた。もちろん荷室容量の観点でもメリットがあるが、満員乗車で長距離を走っても、頭上の「抜け」が良いお陰で圧迫感がない、という点も家族全員が気に入っていた。

1.5Lのディーゼル・ターボはひとり乗りではパワフル過ぎるほど。5名フル乗車+荷物満載でも力強く走ってくれるはずだ。また8速ATは巡航する場合とても低い回転で走ることができるので静粛性が高く、燃費もいいはず。

実用性を徹底的に追求しつつ、しかしフィアットらしいデザインの良さ、お洒落感覚も忘れない。ドブロには一見の価値がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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