ルノー・メガーヌR.S.ウルティム 技術と心がつまった不世出の1台 最後のチャンス
公開 : 2023.09.29 20:45
ドライバビリティに込められた「人の手」
メガーヌR.S.の機能面の充実や走りの完成度の高さはこれまで感じてきたとおり。そしてこのクルマがデビューしてから今年で6年が経過するが、それでもなおドライバビリティに関して古さを感じさせない点がすばらしい。
ライバルのシビック・タイプR以外にライバルと呼べるようなモデルがなくなってしまったこともあるし、実際にメガーヌR.S.は非常に「人の手が入ったクルマ」だからである。
先にあげた4コントロールや300psのエンジン、シャシーカップの専用装備であるLSD、懐の深いアシの要となるHCC(ハイドローリック・コンプレッション・コントロール、)等々、メガーヌR.S.は「スペック対決」でも楽勝できる内容を誇っている。
だがそれより重要なことは、それらのエクイップメントがハイスピード・ドライビングの中で完全に連携しており、そこに走り好きなドライバー/エンジニアの存在が感じられることだろう。
例えばメガーヌR.S.と比べればドイツのライバルはAWDの恩恵に寄りかかっていることもあり、走りの仕上げが大雑把に感じられる部分も多い。
しかも今後は走りの部分に費やしていたコストを電動化や環境性能に割り振る必要がある。
メガーヌR.S.の魅力が色褪せることなく、そして不世出の1台である理由は、人の手が掛かっているというだけでなく、今というタイミングにもあるのだ。
ウルティムはまさにラストチャンスなのである。