マクラーレン・アルトゥーラが切り拓く、次世代の「楽しさ」とは
公開 : 2023.10.20 12:30
なぜ「アルトゥーラ」はマクラーレンの第2章と言われるのでしょう。刺激と洗練のプラグインハイブリッド、その楽しさを探ります。
もくじ
ー 爽快なハンドリング体験 西川淳の視点
ー 洗練と攻撃のハイブリッド 飯田裕子の視点
ー 深掘り 「軽さ」が生むアドバンテージ
ー 試乗のチャンス ポイントは「一体感」
爽快なハンドリング体験 西川淳の視点
ハイスピードドライビングの楽しい予感は開発者に直接インタビューしたときからあった。
バッテリーを積んだプラグインハイブリッド車にしてはパワーウェイトレシオも抜群。実際にサーキットを走れば、重量バランスとエアロダイナミクスのよさを身に染みて感じる。前輪を“思い通りの場所”に置きながら攻め込む感覚は、いかにもマクラーレンらしい。
トラックでもそうなのだからワインディングロードでは間違いなく気持ちがいい。
どこまでもクルマを信じてハンドル操作をすれば異次元のコーナリング速度を経験できる。
「スポーツ」モードを選べばよりクイックかつ精緻なステアリングフィールとリア駆動の適度なスリリングさとがミックスされ、ハイパワーMRらしい刺激的なドライビングを堪能できた。
高速道路ではフラットライドに徹してくれる。
視界がよく、ドライバーの視線が常に安定するから余計にそう思う。途中で雨に見舞われても安定感が崩れる気配すらない。アルトゥーラはよくできたグランドツーリングカーでもあるのだ。
そして高速道路を使ってサーキットに出かけるような場面といえば、たいていが休日の早朝だ。閑静な住宅街はもちろん、マンションの地下駐車場からでもスーパーカーのエンジン音ほど迷惑なものはない。
アルトゥーラなら心配無用だ。家から幹線道路、なんなら高速に入るまで20km以上もフル電動で賄える。
無音で風を切りつつ走る感覚もまた気分がいい。これぞ現代のスーパーカー乗りの嗜みというものだろう。