アルピナの「味」を言語化 SUVにも? XD3で感じた「新しい古典」
公開 : 2023.10.27 15:40
アルピナXD3で長距離を走らせ、アルピナのレシピ=味の秘密を探り、SUVでもそれを持ち合わせるか、確かめます。
もくじ
ー SUVでも健在、アルピナのレシピ
ー ディーゼルらしからぬアルピナの仕立て
ー スロットルで掌握するドライバビリティ
ー 「いつかはアルピナ」ではなく今こそ
SUVでも健在、アルピナのレシピ
1泊2日でアルピナをドライブする。しかもモデルを選べるというので、色々と悩んだ末XD3を指名してみた。
その理由は強い個性派がひしめき合う現在のアルピナのラインナップ中で、個人的な記憶が少し薄れつつあったからである。
BMWアルピナXD3として2代目となる現行モデルは、3代目のBMW X3(G01型)をベースとしてアルピナ化されたもの。昨年LCIが施され後期型になっている。
2015年、初代BMW アルピナXD3ビターボの誕生は驚きを持って迎えられた。リムジンのイメージが強かったアルピナがSUVを手掛ける。それは前例のない出来事であり、ファンは「SUVモデルでもアルピナの味を表現できるのか?」という点を注視したのである。
だが心配は杞憂に終わった。XD3はすぐに市場に受け入れられ、アルピナの総生産台数は1割強ほど上乗せされることになったのだ。
「ALPINA」のロゴを掲げるフロントのチンスポイラーにはじまり、車体の側面を引き締めるデコストライプ、そして20本の精緻なスポークが放射線状に広がるアルピナ・クラシック・ホイールが路面を掴むようなスタンスもアルピナのレシピに則ったものといえる。
センターコンソールに「238」というプロダクションナンバーが記されたプラークが輝くXD3を駆り、われわれは西へと向かった。