なぜ、楽ナビは累計出荷台数650万台を突破できたのか 25年目の集大成、最新モデルで探る

公開 : 2023.11.30 07:25

選ばれる理由 ナビ機能のアドバンテージ

カーナビ本来の機能はドライバーを目的地まで快適に導くこと。パイオニアはGPSカーナビを市販で初めて発売したメーカーだけにナビ機能へのこだわりは強く、楽ナビははじめての場所へのドライブでも頼りになるパートナーとなってくれる。

触れてみて最初に感じるのは地図の美しさだ。

9型HDディスプレイは一般的なカーナビに搭載されている7型WVGAディスプレイに比べるとサイズは2倍以上、解像度は2.4倍で、クッキリとした地図は抜群に見やすい。それに文字やアイコンなどの情報は素早く読み取れる。

地図の表示方法は、空から見下ろすようなスカイビューも選べる。

平面表示に加え上空から進行方向を見下ろすようなスカイビュー表示にも対応しており、特徴的な建物は立体的に描かれている。

カーナビの画面サイズは7型が長らくスタンダードであったが、楽ナビでは2014年に登場のAVIC-RL09でひと回り大きな8型を採用した。この大画面化は楽ナビがこだわる使いやすさにも大きく貢献。

【25周年振り返り】AVIC-RL09(2014年)は楽ナビ初の大画面モデルで8型ディスプレイを搭載。大画面化はカーナビの使い勝手を大幅に高めた。そして楽ナビには9型もラインナップされていく……。

大きな画面は地図や案内が見やすく、アイコンが拡大表示されるためタッチパネルの押し間違いも防ぐ。現在の大画面楽ナビにもこの頃から蓄積されたノウハウが生きている。

差を生む技術「スマートループ渋滞情報」

それに、カロッツェリア独自の「スマートループ渋滞情報」を通信で取得できるのは最新楽ナビの大きなポイント。

渋滞の状況を把握できる「スマートループ渋滞情報」は、点線の矢印で示される。裏道・抜け道までカバーしていてAUTOCAR編集員たちのイチ推し機能。

いちど使ったら虜になってしまうほど、渋滞の状況を正確に把握でき、主要道だけでなく裏道や抜け道といった道路までカバー。

VICS情報は実線で、スマートループ渋滞情報は点線で、さらに一般道は白縁、有料道路は青縁とするなど視認性の良い表示も行う。

こうした渋滞情報を活用したルート案内、地図の見せ方のノウハウは一朝一夕に真似できるものではない。

時間に追われる日々を送るAUTOCAR編集部のメンバーが、こうしたナビ機能に惚れ込んで楽ナビを選んできたのも頷けるところだ。

さらに高精度かつ高速な渋滞回避機能を持つ「6ルート同時探索」も実現している。高速道路の通行料金と所要時間などのバランスを見ながらルートを選びたいときに使い勝手がいい。

「見やすい」から、曲がる交差点を迷わない

ルートガイドに「信号機カウント交差点案内」を新搭載した点も見逃せない。

これはルートガイドを行う交差点までの距離を〇〇mといった距離だけで知らせるのではなく、“信号機の数”で知らせるもの。

距離が近づくにつれて5個目の信号→4個目の信号→3個目の信号→2個目の信号→次の信号→この信号と、画面表示と音声で知らせるため曲がる場所を間違えてしまうことがない。助手席の人が案内しているようなイメージだ。

この機能に関しても正確な自車位置精度を誇るカロッツェリアの技術に支えられていることを実感する。

エンタメ機能やドライブレコーダーとの連携についても確認しよう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    浜先秀彰

    Hideaki Hamasaki

    千代田工科芸術専門学校写真科を卒業後、自動車専門誌編集部スタッフを経て、フリーランスライターとして独立。現在は執筆、編集、撮影を一人で行うことも多い。カーナビやドラレコのレポートを得意とするが、守備範囲はカスタムパーツや洗車ケミカル、車内小物までを含むカー用品全般となる。YouTube「カーグッズチャンネル」を2021年より運営。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

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