実用的でワクワクできる 新型でも「カングー」らしいキャラクターは健在

公開 : 2023.12.15 18:25

骨太なシャシーとしなやかな乗り心地の妙

走り出して最初に感じたのは「骨太!」と言いたくなる車体の硬さだった。

先代カングーは硬いフロアとフワッと軽い上屋の組み合わせが印象的だったが、新型はボディ全体がカッチリとしている印象。

柔らかめのサスペンションと抵抗感が希薄でスーッと転がる205/60R16サイズのタイヤの相性も抜群で、いかにもフランス車らしいしなやかなドライブフィールを味わうことができた。

一方トルクバンドが広い1.3Lのガソリン・ターボ・エンジンと素早く滑らかにシフトを完遂する7速EDCの相性も上々。2000回転も回していれば1.56tのボディをぐいぐいと引っ張ることができ、高速道路でハイペースを維持するのも容易だった。

荷物がたくさん積める実用的なクルマは珍しくないし、ストレスなくドライブを楽しめるクルマももちろんある。けれどそのふたつの要素が1台にギュッと詰まったカングーのような存在は珍しいのではないだろうか。それこそ歴代のカングーに共通する走りの特徴だということを再確認できたのだった。

また新型カングーはADAS(ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト)を標準装備しているという点でも現代的な実用性を担保している。ステアリング上のスイッチで直感的に操れるこのシステムの仕上がりはどうか?

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。
  • 撮影

    小川和美

    Kazuyoshi Ogawa

    クルマ好きの父親のDNAをしっかり受け継ぎ、トミカ/ミニ四駆/プラモデルと男の子の好きなモノにどっぷり浸かった幼少期を過ごす。成人後、往年の自動車写真家の作品に感銘を受け、フォトグラファーのキャリアをスタート。個人のSNSで発信していたアートワークがAUTOCAR編集部との出会いとなり、その2日後には自動車メディア初仕事となった。

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