ベストドライバーズカー選手権2016 / 一般道編
公開 : 2016.11.19 05:50 更新 : 2017.05.29 18:27
毎年恒例、ベストドライバーズカー選手権の時期がやってきた。まずは今年も、有望株揃いのノミネート車をご紹介しよう。
1989年以来続くAUTOCARの一大イベント、ベスト・ドライバーズカー選手権。モデル・イヤー2016の出揃うこのタイミングで、第28回の開催を宣言する。
これまでの優勝車は、初代ロータス・エリーゼからホンダNSX、ランボルギーニ・ムルシエラゴ、ポルシェ968クラブスポーツなど、クラスもキャラクターも様々だ。果たして、今年の栄冠はどのクルマの上に輝くのだろうか。
年間を通じて数多のテストを行う本誌においても、最大規模となるこのスーパー・テストは、そのフォーマットを踏襲しつつ状況に応じた改正も繰り返してきた。その結果は、スーパーカーを愛するユーザーのみならず、いまや自動車メーカーにも無視できないものとなっている。
今年の舞台は、雄大な北ウェールズの地を縫う一般道と、アイリッシュ海の眺めも壮観な島に建設されたアングルシー・サーキットだ。
天候は残念ながら芳しくなく、気温上昇も見込めないコンディション。そんななか、われわれは2日間にわたりスロットル・ペダルを踏み続け、記録、判定、そして議論を繰り返した。これから長丁場にはなるが、その模様を詳しくお伝えしたい。
今回、一堂に会したクルマたちは、読者諸兄を圧倒するような面々だ。ディフェンディング・チャンピオンのフェラーリ488GTBに挑むのは、登場間もないホンダNSXをはじめ、アストンマーティン・ヴァンテージGT8、ポルシェ911R、マクラーレン675LTスパイダー、BMW M4GTS、ジャガーFタイプSVRなどなど10台のスーパースポーツたち。
すべてはドライビングの興奮という評価軸で、もっとも輝かしい栄誉を掴むにふさわしい一台を選び出すためだ。
いよいよ公道テスト
まず、ウェールズの路上に持ちだしたのはアストンマーティン・ヴァンテージGT8だった。本来なら、ここにいるべきだったのはDB11だったのではないかと疑念を持ったのも事実だ。
あれこそ、この数十年でもっとも重要なアストンだと信じて止まないからだ。しかし、わが同僚のマット・ソーンダースは断言する。
「GT8が必要だったんだ。DB11ではなく」。両方とも試乗した彼が言う。「これこそドライバーズカーだ。信じろって」。わかった、そうしよう。