セアト・レオン最強モデル「クプラ300」に試乗 ゴルフRとフォーカスRSは要覚悟
公開 : 2017.02.24 19:42 更新 : 2017.05.29 18:43
10psのアップは、このクルマにとってそれほど大きな数字ではない。しかし、ホットハッチ・カテゴリーにおけるハイレベルなオールラウンダーという地位は守られた。
■どんなクルマ?
セアトのプレス・リリースに、こんな一文があった。
「新型セアト・レオン・クプラ300は、ブランド至上最強のロードカーです」
いやいや、2008年にレオン310があったじゃないですか。オランダで100台が限定販売されたのみとはいえ、その出力は車名通りの310psで、今回の試乗車より10ps強力だった。
と、揚げ足取りはこれくらいで。
新型クプラ300は、これまでの290より10ps/3.0kg-mアップした “セアト最強のレギュラー・モデル” だ。ただし、最大トルク発生域は、若干ながら狭くなっている。
レオンは、そのパワーすべてを扱いきれるのか?
以前のモデルは、規格外なほど最高のホットハッチだった。また280モデルは、ノルドシュライフェで当時のクラス・レコードを樹立した。
ただし、幾分わがままなミサイルのような物腰があったのも事実だ。正確にラインを辿るには、極めて慎重なスロットルのタッチが必要で、デフの限界を超えてホイール・スピンやタイヤ鳴りを避ける必要がある。
それでも、ハイ・パワー版のクプラは常に、ハンドリングを超えた価値があった。
しかし現在、試乗したMTモデルであっても価格は上がっており、VWゴルフRやフォード・フォーカスRS、BMW M140iといったライバルとの差が縮まりつつある。それでも、このクルマを検討に入れる価値はいまだにあるのだろうか?