0-100km/h加速2.7秒というスーパー4ドア・サルーン、テスラ・モデルS P100Dの真の実力は?
公開 : 2017.03.28 16:48 更新 : 2017.05.29 18:47
間違いなく現在、世界最速の4ドア・サルーンと言えるのがテスラ・モデルS P100Dです。静かで馬鹿っ速く、そして頭の良いスーパー・サルーンを吉田匠さんはどう評価するのでしょうか。
■どんなクルマ?
テスラはアメリカ製EVとしてすっかりおなじみの存在に
アメリカ製の電気自動車=EV、テスラ。現在発売中のラインナップは、セダン・ボディの「モデルS」と、ファルコン・ウイングと呼ばれる特徴的なリア・ドアを持つ、SUVの「モデルX」の2種類がある。その他に、やや小型で安価な「モデル3」の開発が進行中だが、これは正式にはまだ世に出てはいない。
そのなかで今回は、モデルSのトップ・パフォーマンス・モデル、モデルS P100Dに、信州の軽井沢とその周辺で試乗したが、実はモデルSとモデルXのモーターには3種類の配置がある。
なかで最もシンプルなのが、リアに2基のモーターを並列配置して後輪を駆動するシングルモーター、前輪に1基、後輪に1基のモーターを備えるAWDがデュアル・モーター、そして前輪に1基、後輪によりパワーのある大型の1基のモーターを配するのがパフォーマンス・デュアル・モーターと呼ばれる。
0-100km/h加速 2.7秒というテスラ・モデルSのトップ・モデル、P100D
今回乗ったP100D は最後のパフォーマンス・デュアル・モーターで、100の前のPがパフォーマンスを、最後のDがデュアル・モーターを意味している。100という数字は、バッテリーの容量を示すものだ。
テスラのHPによると、P100Dの最大航続距離はNEDC=ニュー・ヨーロピアン・ドライビング・サイクルで613kmとされるが、それはおそらくすべてが理想的な条件で推移した際の値だろう。
一方、同じHPにあるシミュレーターによれば、試乗車と同じ21インチ・タイヤを履いたP100Dは、気温20℃、ACオンの状態で、100km/hを保った場合、508km走れると出る。これもあくまで机上の数字だが、こちらの方が高速クルージングの航続距離としてはむしろ現実的な数字と思われる。このサイズのクルマが高速道路を100km/hで500km前後走れるとしたら、充分な航続距離といえるのではないだろうか。
しかもそれでいて、パフォーマンス志向の「ルーディクラス・モード」を駆使してアクセラレーターを踏み込めば、0-100km/h 2.7秒という、大半のスーパースポーツを凌駕する怒涛の発進加速を発揮するという。その一方で、それほど強烈な加速は必要ないと割り切って、「P」のつかない100D仕様を選べば、航続距離はさらに伸びることになる。