またも★★★★★ 待望のマニュアル! ポルシェ911 GT3を初テスト
公開 : 2017.05.05 11:45 更新 : 2017.05.29 19:03
待望のポルシェ911 GT3のマニュアル・モデルの試乗記です。PDKにつづき、こちらも5つ星。テスターの興奮ぶりをじっくりとお楽しみください。
■どんなクルマ?
カスタマーの意見を反映した「MT」
2013年、991世代のGT3にはパドルシフト付きのPDKしか用意されないと知ったとき、純粋主義者は怒りに腕を振り上げた。
「根本的に改善されたが、魅力の根源を失った」とまで非難した彼らは、MTの復活を求め続けてきた。マニュアル変速で操れるハイパフォーマンス911、という点にこそ、GT3の価値があるというのが彼らの主張だ。
あれから4年。検討を重ねたポルシェは、911Rの売れ行きなども考慮して、十分な商機があると判断したのだろう。フェイスリフトに際して、2種類のトランスミッションを設定する決定を下した。
一方は、7速デュアル・クラッチのPDKで、既存モデルに搭載されていたものの改良版だ。そしてもう一方が、今回試乗する6速MTで、こちらは新規開発されたものだという。
「多分、わたしたちは独りよがりが過ぎたんですよ」とは、市販車開発を率いるアンドレアス・プレウニンガーは、このクルマを発表した際に語った。
「開発はとにかくサーキットのラップタイム第一に進めたので、デュアル・クラッチの方が好ましい選択だと考えたわけです」
しかし、彼らの予想に反して湧き上がった批判を、このクルマで鎮めたいとプレウニンガーは望んでいて、変更点はトランスミッションだけではなく、LSDをPDKと組み合わせる電制ものではなく機械式とすることも含んでいる。刷新でありながら、伝統的な路線へ回帰したわけだ。
だが、われわれが知りたいのは、そんなポルシェの思惑やビジネス・プランではなく、完成品のデキがいいのか悪いのか、それだけだ。それも、誰もがサーキット走行のためだけにこのクルマを買うわけではない、ということも踏まえたうえで、である。
ここで、911 GT3のおさらいを。