BMW M235iの能力を開放するなら、英「Birds」に頼れ! 試乗記
公開 : 2017.07.01 20:09
「Birds(=バーズ)」なるチューナーが、BMW M235iの能力を開放してくれそうです。たんにパワーアップするというナンセンスさとは無縁。あくまで乗りやすく、しかも刺激に満ちた走りになっています。
■どんなクルマ?
M235iの「悪癖」を断ちたいなら
BMW M235iは、日常遣いできる現実的なパフォーマンスカーとしては完璧であるはずだ。
速いFR車で、トランスミッションはMTかATが選択できる。ボディサイズは比較的小さく、狭い道や交通量の多い中を楽に走れるが、成人4名が過ごせるキャビンと容量に不足のないトランクを備える。初期モデルなら£20,000(293万円)程度で手に入る。2シリーズの派生グレード的なモデルだが、これはかなり魅力的だ。
ところが現実には、そうそううまくはいかないもの。総じていいクルマではあるものの、欠点もいくつかあることを否定できない。
たとえば、LSDが標準装備されないことだ。パワフルでバランスのとれた後輪駆動のクーペにとって、これは残念な話である。
さらに残念なのが、減衰の足りない脚回り。バンピーな道どころか、調理台くらいスムースな路面でなければ、まるでカンガルーのようにポンポン跳ねる。時として、後輪が路面を掃くように流れ、間近の街路樹へ突っ込みそうに感じることさえある。
それを改善し、M235iのポテンシャルを存分に引き出そうというのが、バーズの「B2」と銘打ったコンバージョン・キットだ。
バッキンガムで長年にわたりBMWのチューニングを手掛けてきたバーズだが、このB2キットの開発は元レーシング・ドライバーのジェームズ・ウィーバーと、ベテランのシャシーエンジニアであるピート・ウェストンが参加し、ビルシュタイン製ダンパーにアップグレードを施すことから始まった。