トヨタ・カムリ 北米高評価、日本も? フルTNGAで2017年「セダン復権」か
公開 : 2017.07.22 17:10 更新 : 2021.01.28 17:43
トヨタ・カムリ。ガラリと雰囲気を変えたことで、なにかと注目を集めています。乗ってみると、たいへんよいクルマだということも判明。今尾直樹さんに、くわしく評価してもらいます。
■どんなクルマ?
カムリ、目指したのは「エモーショナル」なセダン
アメリカの乗用車販売台数15年連続ナンバー1の座に輝くトヨタのグローバル・ミドサイズ・セダン。生産累計1800万台超!
モデル末期だというのに、昨年のアメリカの販売台数は39万台弱というベストセラーなのだ。
ということで、今回の10代目カムリも今年1月のデトロイトショーでいち早く公開された。6年ぶりの全面改良である。
日本での発売は半年遅れということになるわけだけれど、木更津で開かれた試乗会でチーフエンジニア(CE)の勝又正人氏が語ったところによれば、モデルチェンジに当たって彼ら開発陣が考えたのは「このままでよいのか?」という自問自答であったという。
俺はこのままでよいのか? 胸に手を当ててジッと考えると、いやはや……感慨深いものがあります。
「前例のない変革」 きっかけは「危機感」
勝又CEはセダンの白物化について危機感をもっていた。先代カムリはよくも悪くも「食パン」「バニラアイス」と呼ばれていたという。
迷った時にこれにしておけば安心だけど、ワクワクドキドキを失っている。このままでは衰退する……。
ということで、「前例のない変革」に挑んだ。白物化ではない、次世代のクルマとは何か? ということで開発を進めた。
そして、たどり着いたのが「理屈抜きにカッコいい」デザインと、「意のままの走り」を実現するという、実にシンプルな、しかし自動車づくりの永遠のテーマともいうべき、エモーショナルなものだった。
新型カムリはデザイナーの描いたスケッチ画をそのまま製品化した、と勝又CEは胸を張る。
これが実現できたのは、「フルTNGA(Toyota New Global Architecture)」思想でもって、全部の部品をさら地からレイアウトできたからだ。
もし従来の部品をひとつでもそのまま使っていたら、ルーフの25mmはともかく、ボンネットのフードを40mm下げるというような芸当はできなかったという。