ロードスター再考(2) 初代ロータス・エリーゼ 当時のストーリー 今の印象
公開 : 2017.07.30 17:10
たいへん好評だった「ロードスター再考」。第2話の主人公は、初代ロータス・エリーゼです。当時の興味深いストーリー、いま乗った印象などお楽しみください。
当時は歓迎されづらかった
ロータス・エリーゼの販売が決まった時、ディーラーの人達は皆、怪訝そうな顔をしたと言う話を聞けば、ふしぎに思う読者もいらっしゃるかもしれない。
当時ロータスは、エスプリやエクセルを主力商品として擁していたため、あまりに簡素な出で立ちのニューカマーを歓迎するには一抹の不安があったのだ。
どうして内張りがないの?! きっとそう思ったに違いない。
しかし1995年のフランクフルト・モーターショーで最初にエリーゼが姿を表した時の世界の反応を見て、その心配がまったくの杞憂だったことが初めてわかった。
1993年の8月、ブガッティはロータスを買収し、ベーシックなスポーツカーを制作するよう命令を下した。一方でローバーのエンジニアはアルミニウムの押出についてもっと学んでみたいと思った。エリーゼのプロジェクトはこの2社の合併事業であったが、後にBMWがローバーを買収したことにより一旦は水泡に帰した。
ようやくエリーゼの開発にゴーサインが出たのは1994年1月のことで、3年間で2700台の生産が計画された。ジュリアン・トムソン氏がデザインを担当し、彼のチームは、エランやセヴン、そしてスポーツレーサーのロータス23が載った過去の資料を注意深く読み込んだそうだ。