ルノー・ゾエe-sport、「EVホットハッチ」の未来を示唆 試乗記
公開 : 2017.07.30 20:10
200km/hまでならば、ポルシェ911ターボSさえ打ち負かすことのできるという、ルノー・ゾエe-sport。EVホットハッチの未来を示唆してくれました。
きわめてストイック
それは南フランスのとても暑い日のこと。ルノー・ゾエe-sportのキャビンには車内を冷却するベンチレーションはない。いや、このEVの車内には、何も無いといってもいい。
しかし発見したこともある。ふたつのペダル、ステアリング、デジタルディスプレイ、そして、十分過ぎる462psと65.2kg-mから繰る出されるパフォーマンスを自在に設定することができる3つのロータリー・スイッチはある。112km/hでホイール・スピンを誘発させることができることも、あとから発見した。
ジュネーブ・モーターショーで発表され、そしてより最近では、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて披露された、ワンオフのプロトタイプ「ゾエ e-sport」は、ゼロ・エミッション・スーパーミニの標準モデルのよりも、同社のEVの頂点であるフォーミュラEに近い存在である。
このクルマが持つふたつの電気モーターは、それぞれの駆動輪に設置されており、レーシングカーの持つ大容量パーマネント・マグネット・テクノロジーを共有しているが、レギュレーションによって出力が抑制されているレーシングカーよりも186ps高いパワーを発揮する。
車体はカーボンファイバー製で、チューブラーシャシーは、レーシングカーのスペシャリストであるトーク・エンジニアリング社によって造られている。サスペンションは前後ともダブルウイッシュボーンで、オーリンズ製の4ウェイ調整式ダンパーが備わる。