空冷と水冷、あなたはどっち? ポルシェ993と996を比較試乗(前編)

公開 : 2017.08.14 17:10  更新 : 2017.08.14 17:18

空冷と水冷。ポルシェの歴史を語るうえでは、もはやお決まりのキーワードですね。あなたはどちら派? 比較試乗をおこない、決着をつけましょう。

もくじ

前編
元F1ドライバーが996を選ぶ理由
996、なぜ長い間不人気だった?
993が「最後の911」になる可能性もあった
996、顧客をどんな仕掛けで惹きつけた?
993と996、両者の明らかな違い

後編
ー993と996 音やステアフィールの違いは?(8月15日公開予定)
ー993オーナーが語る、993の実用性(8月15日公開予定)
ー993と996 オーナーの語る「ポルシェ像」(8月15日公開予定)
ー996、これから価値は高まるのか?(8月15日公開予定)

元F1ドライバーが996を選ぶ理由

本誌が2013年にポルシェ911誕生50周年を祝った際、何人かのポルシェのスペシャリスト、ロードテスター、レーシングドライバー、自動車TV番組の出演者にお気に入りのポルシェに投票してもらったことがある。

カレラ2.7RS、最後の空冷モデルとなった993、最新モデルの991など、人気車種に票が集中したのは予想通りだったが、元F1ドライバーのティフ・ニーデルはこうしたトレンドに逆らうかのように、不人気だった996を選んだのだった。

「伝統を重んずる人々の気持ちを逆なでさせるつもりはありませんが、わたしはエンジンの冷却方式が空冷か水冷かなんて全く気になりません。それよりも、996は911をモダンカーに前進させたモデルだと思っています」

「やっとフォルクスワーゲンのペダルから解放された911がこの996ですし、完全に自分の支配下でハンドリングできるのも996です。これ以前のポルシェに納得したことはありませんが、これ以降のポルシェにこれほど惚れ込んだこともないですね」とニーデルは毅然とした態度でコメントしたのだった。

ニーデルは決して最近になってこの事実に気づいたわけではない。彼は996発表当時のトップギア誌でも「996はこの上ないドライビング体験を与えてくれるのです」と語っていたのだ。

では996が、長い間あれほど不人気だったのはなぜだろう?

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