「シンR1 550」 ブルガリア発スーパーカー、不完全ゆえのスリルとは 試乗記
公開 : 2017.08.17 12:46 更新 : 2017.08.17 16:06
「シンR1」の試乗記です。ブルガリア製としては初となるアグレッシブで物怖じしないスーパーカー。魅力の秘訣は何なのでしょう?
■もくじ
どんなクルマ?
ースーパーカー界の「申し子」なのかもしれない
ービジネスの成功が、創業者を冷静にさせた
どんな感じ?
ー「シンR1 550」 いったい何者?
ー「シンR1 550」 インプレッション
「買い」か?
ーブルガリア製スーパーカー 第1章
■どんなクルマ?
スーパーカー界の「申し子」なのかもしれない
ブルガリアには、これまで、自動車史に誇れるような遺産(クルマ)はなかった。
歴史に名を残すというのは簡単なことではなく、長い歴史のなかで一握りの者だけが掴める栄光だ。
しかし、熱狂的な「とある男」が作ったスーパーカー・カンパニーは、どうやら早くもその栄光を掴んだようだ。
「シン・カーズ」はルーセン・ダスカロフによる新しい構想の会社である。この会社の初めてのロードカーが「R1 550」で、このクルマはミドエンジン。
さらに特筆すべきはポルシェ911GT3RSよりもパワフルであるということ。速い。
齢40代のダスカロフが、ファクトリー内を大股で歩きながらインタビューに答えてくれた最中、彼の電話は鳴りやむことがなかった。
しかしそのような状況でも彼は言葉を選びながら思っていることを説明しようとしてくれていた。
彼の話をする姿はまるで、子どもが夢を語るときのような、熱意と笑顔にあふれた表情だった。
この工場は、BMWのサービスセンターというかりそめの姿をしながら、その奥ではR1が組み立てられているという、秘密基地のような側面を持つ。