ロールス・ロイス新型 ファントムVIIIに試乗 そもそもの思想、異なる
公開 : 2017.10.13 12:40
ロールス・ロイス2018年型に試乗しました。作りが一級品であることは間違いありませんが、何より、ものづくりにおける「思想」の違いに注目です。
もくじ
どんなクルマ?
ー 「ファントムは、ファントムの中のファントム」
ー 軽量化は「二の次」 洗練性/ライド重視
どんな感じ?
ー ファントムVIIIの内外装 どう変わったか
ー 走らせる前に、語るべき多くのことがある
ー 機敏ではないが精確 室内は静寂のひとこと
「買い」か?
ー すべてが完ぺきではない しかしそれ以上もない
スペック
ー ロールス・ロイス・ファントムのスペック
どんなクルマ?
「ファントムは、ファントムの中のファントム」
これが8代目のロールス・ロイス・ファントム。ファントムの後ろにグレード名などは続かない。唯一、ローマ数字で賢く見える「VIII」だけだ。
どんなに長く居座った王様であっても、いずれは新しい王様へと入れ替わる。新しいファントムには、どんな点が旧型から受け継がれたのか、気になるところだろう。
「ファントムは、ファントムの中のファントムなのです」とロールス・ロイス社のCEOトーステン・ミュラー・エートベッシュは語る。(もしかすると、もう一度ファントムと繰り返していたかもしれない)
いずれにしてもこのクルマは取締役や最高権力者、王子のためのモデルであることは変わりない。
今後すべてのモデルは、新しいファントムのプラットフォームをベースとすることとなる。ロールス・ロイスには不釣り合いな、BMWのプラットフォームを広げて利用することはもうない。
ゴーストやレイス、ドーンも、いずれ置き換わるであろう。またSUVプロジェクトのカリナンでは、このアルミニウムのスペースフレームをベースにファントムより30%ねじれ剛性を高め、サスペンションやミッションのマウント付近など主要部分では100%も剛性を向上させている。
エンジニアリング部門のディレクター、フィリップ・ケーンによると、アルミを用いる車体は手作業で組み立てられ、ホワイトボディは「偶然」軽量化されたそうだ。
偶然?
「われわれにとって、軽量化は最優先事項ではありませんからね。ボディ剛性を向上させることの方が重要なのです」
剛性向上のメリットをロールスは以下のように主張する。