VW e-ゴルフ EVとしてバッテリー/航続距離/価格検証 主役の道「まだ遠く」
公開 : 2017.11.09 10:10
フォルクスワーゲン・ゴルフのEV版、「e-ゴルフ」の日本国内試乗記です。バッテリーの能力や航続距離、価格を検証することで、たとえばリーフや、同門のPHEV「ゴルフGTE」に対する優位性があるのかを探りました。
もくじ
どんなクルマ?
ー e-ゴルフ/GTE あえて比べる
どんな感じ?
ー EVだけれど、それを主張しすぎず
ー 「e」より「ゴルフ」のよさ目立つ
「買い」か?
ー 「これ1台」の使いかた、遠く
スペック
ー フォルクスワーゲンe-ゴルフのスペック
どんなクルマ?
e-ゴルフ/GTE あえて比べる
その名のとおりゴルフのEV(電気自動車)である。ゴルフと電動の出逢いは外部充電機能を備えたハイブリッド、PHVのGTEから始まっているが、この2車を比較するとEVとPHVの「電動」の使い方の違いが興味深い。
駆動用の電動モーターの最高出力はe-ゴルフが136ps、GTEは109ps。最大トルクは逆転してe-ゴルフが29.5kg-m、GTEは33.6kg-mである。
ピークのパワースペックを比較すれば甲乙付け難いのだが、定格出力が大きく異なる。e-ゴルフは最高出力と同じ100kWだが、GTEは55kWでしかない。
GTEの電動モーターは一時的に88ps出せても、定常的に使える最高出力は55kWなのだ。対してe-ゴルフは最高出力を常用するのも可能だ。
言うまでもなく、高負荷の連続運転では内燃機(1.4ℓターボ)を主機関とできるGTEに対して、純電動のe-ゴルフはすべての走行を電動モーターでカバーするためワイドレンジの高性能型なのだ。
駆動用バッテリーの容量はGTEが8.7kWh、e-ゴルフは4倍強となる35.8kWh。JC08モードにおけるGTEの満蓄電電航続距離は45.0km。同じくe-ゴルフは約6.9倍の301kmである。単純計算では電動走行時の効率が約40%向上したことになる。
GTEは電動を利した新しい高性能モデルであり、効率を最優先としていないにしても、この電動性能向上は期待を高めるには十分である。