最終決着 BMW M3 vs アウディRS4 大番狂わせ起こるか 前編
公開 : 2017.11.26 10:10 更新 : 2018.01.22 22:48
BMW M3 vs アウディRS3の短評はすでに公開しているのですが、じつは再テストをおこなったコンテンツも残っていました。大判狂わせが起こる? AUTOCAR JAPAN誌53号の再録です。
もくじ
前編
ー M3は変わってしまったのか
ー 想定する購買層を変えたM3
ー 控えめなM3、逞しいRS4
ー 机上ではそっくりな両者
ー M3 「まるで物足りない」
後編
ー M3 乗り心地は格段に向上
ー あれ、RS4は勝ってしまう?
ー エンジンだけの勝負ならM3の勝ち
ー エピローグ 戦いを終えて
M3は変わってしまったのか
「大切なのは『なにをやるか』ではなくて、『どんなふうに』やるか。結果は必ず後からついてくる」
──これはバナナラマが1982年に出した『It Ain’t What You Do (It’s the Way That You Do It)』の歌詞の一節である。音楽に明るい方はご存知の通り、元ネタはザ・ヴェルヴェレッツ。
冒頭から話が逸れたように思われたらご勘弁を。このフレーズは、そっくりそのまま新型BMW E90型M3に当てはまる言葉なのだ。
ただし、M3に関しては必ずしも芳しい結果というワケではなかった。先月号に掲載した初試乗記を読まれた方は先刻ご承知だろうけれど。
新型M3の初試乗で、われわれはその純然たるパフォーマンスに感嘆すると同時に、意外なほどカドのとれた平穏なキャラクターに驚かされた。簡単に言うと、BMWは420psのV8エンジンを搭載し1000万円超のプライスタグを掲げる新型M3を、大人向けの(そしてよりお金持ち向けの)クルマに仕立てた。
さらにBMWはそのプロセスにおいて、M3というモデルの核を成していた資質のいくつかを見捨て、その結果、新型M3では過去のモデルにあったある種のセックスアピールが埋もれてしまったように思える。
しかし本当にそうなのだろうか。