回顧録 ロータス2イレブン vs アリエル・アトム300 vs エルフィンMS8クラブマン vs ケーターハムR400 vs ブルック・ダブルR 後編
公開 : 2018.02.18 19:40 更新 : 2018.02.18 20:07
この手のクルマで夜明け前に出発して、 寒いなか18時間も走り続けるなんて正気の沙汰じゃない、とお思いでしょう。 担当者はさぞ疲労困憊かと思いきや、 意気揚々と覇者となったクルマで帰還しました。そのクルマとは。『AUTOCAR JAPAN』54号からの再録です。
もくじ
前編
ー クレイジージャーニーの始まり
ー ロータスとの対話
ー ロータス史上最大級の刺激
ー 恐怖さえ感じさせるエルフィン
後編
ー ブルックは21世紀のスーパーカー
ー 古典的な味わいのケーターハム
ー 二者択一
ー 勝敗やいかに
ブルックは21世紀のスーパーカー
それとは逆に、誰もがわれ先に乗りたがったのがブルック・ダブルRである。今までほとんど無名だったブリティッシュ・スポーツカーだが、われわれが先日行った0-100-0テストにおいて、アリエル・アトムに次いで見事2位の座を獲得したことでその名前を知った人も多いはずだ。
われわれも264psを発生する2.2ℓのコスワース・エンジンを積むブルックの直線路での速さは体験済みだったが、一般道でこれほどシャープなハンドリングと高いコーナリング能力を示すとは思わなかった。ブルックはケーターハムR400に匹敵するハイペースで走ることができ、しかも終止落ち着いた挙動を示す。実用上の欠点は少なくないが、ブルックはカントリーロードで恐ろしく速い。それは明らかにR400を上回るペースだった。
ブルックの速さの秘密は、優れたトラクションと見事に躾られた正確なステアリング、凄まじい加速性能(0-161km/h=7.7秒)、優秀なブレーキ、そしてスロットルによるコーナリングラインの修正が自由自在のシャシーである。見た目は1960年代のレーシングカーのようだし、室内もそれに準じた雰囲気だが、走りは21世紀のスーパーカーと評していいと思う。
もし自分のクルマだったら、もっと横方向のサポートがしっかりしたドライバーズシートと左足のフットレストが欲しい。ハードなドライビング時に身体を支える手段がステアリングホイールとシフトレバーしかないのはいくらなんでも辛い。ブルック社の規模を考えれば、ダブルRは素晴らしい偉業の賜である。そして彼らの話によれば、ダブルRは今後スーパーチャージャーを装着して、さらに速いクルマになる予定だという。