英国編集部、日本の軽スポーツに試乗 ホンダS660/ダイハツ・コペン 前編
公開 : 2018.02.24 06:10 更新 : 2018.03.01 01:17
日本の軽スポーツは、ライトウエイトスポーツカーの本場といえる英国のAUTOCAR編集部員を喜ばすことができるのでしょうか? ホンダS660とダイハツ・コペンに乗って、東京から富士山を目指しました。彼らの新鮮な視線を楽しんでいただけるでしょう。
もくじ
前編
ー 富士山をめざして
ー 2台を目の前にすると
ー 軽自動車というベネフィット
ー まずはダイハツ・コペンに試乗
後編
ー 「日本」という独創性
ー ホンダS660に試乗
ー 日本だからこそ、軽
ー 最高の軽スポーツカー3選
富士山をめざして
数年前までイギリスにやってくる嵐にはアメリカ式に命名された名前が付けられていたが、その後、英国気象庁は失笑を買うぐらいのつまらない名前を付けることにしたらしい。
その一例が「ストーム・ブライアン」だ。イギリスでの呼び方としては悪くないが、諸外国での名前に比べると厳粛さに欠ける。ブライアンはコーンウォール州を直撃したものの、波止場地域に水しぶきが上がった程度の被害で済んだようだ。
その頃、地球の反対側ではランという名の台風が時速225km/hの風と共に日本の南部をめがけて進んでおり、写真家のスタン・パピヤーは防水カメラとジャケットを買っておかなかったことを後悔したほどだ。
この日、われわれは富士山を背景に日本の最も素晴らしいクルマとも言える軽スポーツカーを称えるつもりだったのだが、本記事に掲載されているスタンの写真を注意深く見てみても、荘厳な富士山はどこにも写っていない。ブライアンの威力でランを押しのけてくれたら良かったのだが……。
現在生産されているピュアな軽スポーツカーはふたつしかない。今回乗り比べるホンダS660とダイハツ・コペンだ。もちろん2車種とも長さ3400mm以下、幅1480m以下、排気量660cc以下という軽自動車の規格を守っている。両車種とも規格ぎりぎりだが、これより小さいと台風や嵐で吹き飛ばされかねない。