英BBRチューンのマツダMX-5 1.5に試乗 「さりげなさ」という美学
公開 : 2018.03.14 11:40
「BBR」社がチューンしたマツダMX-5(日本名:ロードスター)を英国編集部が試乗しました。チューンといっても、ありがちな「わかりやすさ」とは無縁。MX-5のよいところを、さりげなくレベルアップさせるという美学に惚れ込んでいるようです。
もくじ
どんなクルマ?
ー あくまで「わかりづらい」BBRチューン
どんな感じ?
ー ターボに頼っただけのチューンにあらず
ー MX-5のよいところを伸ばす方針
「買い」か?
ー BBRチューンのMX-5 ライバルは?
スペック
ー BBR GTiマツダMX-5 1.5のスペック
どんなクルマ?
あくまで「わかりづらい」BBRチューン
一部のクルマ好きにとって、BBR GTiは馴染み深い名前だろう。
パフォーマンス第一の初代BMWミニ(R53)オーナーや、シエラ・コスワースなどの有名なフォードのロケットカーのファンはおそらく、文字通りイギリス・ブラックレーに本拠地を構え、メルセデスのF1本部の影に隠れて位置する、その場所を英国人ならば知っているひとも少なくないはずだ。
そこには、自由な精神の自然吸気エンジンで絶賛される、これ以上なく純粋なマツダMX-5のターボチューンでもっともよく知られる一団がいる。
BBRは一年にMX-5(日本名:ロードスター)のターボ化キットをおよそ100セット販売し、最近はバーレーンや台湾などの遠方へも配送されるが、半分近くがアメリカへと行き着く。
BBRは原点回帰した売れ行き好調のMX-5のチューンにも取り組み、今回試乗した1.5ℓのモデルは今までのところ最新で、疑いなくもっとも巧妙なチューニングの跡が見てとれた。
数値からは、なにやらパッとしないノーマルの130psのエンジンにはかなり手が入れられたことがうかがえるが、デカールを除けばそれが牧歌的なノーマルのMX-5 1.5ℓモデルと勘違いするひともいるだろう。
たとえアイドリング中にそばにいても、それがBBRのチューンドモデルだとは気づかないだろう点も気に入った。
たんなるMX-5と思って峠道で追いかけると、痛い目にあうことだって考えられる。というのも、ボンネットの下には201ps、27kg-mを発生させるターボチャージャーが搭載されているからである。
重量増は、工場出荷時の1050kgにわずか6kgのみ。パワーウエイトレシオはアウディTTS ロードスターとほぼ同じだといえば、わかりやすいだろうか。