フォードF-150 英国試乗 高性能版「ラプター」の走りは
公開 : 2018.04.08 10:10 更新 : 2018.04.08 17:01
北米でいちばん売れているクルマが、このフォードF-150です。その巨体は、小さなフィエスタと並ぶとまるで弁慶と牛若丸。イギリスの田舎道では完全に持てあまします。砂漠レース向けの足回りは街乗りには厳しいですが、あまりのバカバカしさに逆に欲しくなるクルマのようです。
もくじ
ー 北米で最も売れたクルマ
ー 2500kgの車重に3.5ℓV6ターボ
ー 英国に似合わない巨体
ー 剛性感の足りない走り
ー 馬鹿げていると思いつつ欲しくなる
北米で最も売れたクルマ
政治家はよく「特別な関係」という言い回しを使う。どうも、英米関係をより緊密にしてくれそうな共通の価値観のことらしい。
英米2国が根っ子のところではほんとうに同じなんだよと、そんなごたくで信じこませようとしているのだ。政治観念も、文化の傾向も、社会的成りたちも。分けへだてるのは大西洋だけだと。
その「根がおなじ国」アメリカでいちばん売れているクルマが、このフォードF-150だという。だがここコッツウォルズの、映画のセットから抜け出したような砂岩レンガ造りの古い建物が並ぶ村に現れたこのクルマはどうだ。目も覚めるいでたちをまとい、どでかいイボイボのタイヤで石畳を踏みしめ、まるで景色と合わない大理石模様みたいなオレンジのデイライトを光らせて仁王立ちしているではないか。同じ地球に住むほかに、こんなものとどこが「同じ」だというのか。
かようにイギリスの村ではまったくバカバカしくみえるクルマだが、このF-シリーズ・トラックが人気なのはなにも北アメリカだけのことではない。たしかに大多数は北米向けだが、昨年は世界で896764台も販売されたのだ。
F-シリーズには他にF-250と350、そしてとてつもなくデカいF-750まであるが、これなどは伐採したセコイアの木をまとめて運ぶのに使うようなクルマだ。その中でも、昨年いちばん売れたのがこのF-150だ。
現に「世界で」売れている以上、アメリカ人だけのお気に入りとはいえない。