ポルシェ 911 GT2 新車当時の評価は? 回顧録 後編

公開 : 2018.04.14 18:10

997型ポルシェ911 GT2試乗記、後編です。エンジンを始動するだけでただならぬ雰囲気を感じるこのクルマ、乗り心地は案外良いものの酷いノイズでロングツーリングには不向きです。ただし、速さは折り紙つきでGT3ともターボとも違う真の頂点と言えます。

AUTOCAR JAPAN誌 62号

もくじ

前編
圧倒的なパワー
モータースポーツ部門の「支援」
逆転の発想で獲得したプラス50ps
現代のヒーローが乗るマシン

後編
自分が“部品のひとつ”になる快感
始動しただけで吹き荒れる驚愕の嵐
乗り心地は良いが酷いノイズ
恐怖を覚える速さ
真の頂点へ

自分が“部品のひとつ”になる快感

というわけで、はやる気持ちを落ち着かせるためにも、まずは乗り込んで穴蔵のように深いバケットシートに身を収める所作を、見られても恥ずかしくない程度に手際よくこなせるようにする練習から始めよう。それができたらじっくりと周囲を見回してみる。目の前のステアリングホイールを一瞥しただけで、プレーンで整然とした、およそ複雑さとはかけ離れた空間だとわかるはずだ。

スウェードのリムが付いたステアリングホイールは上下前後に動いて理想的なドライビングポジションを作り出し、足元には完璧な配置のペダルが3つあり、そしてシートは正確な位置に身体を保持してくれる。着座位置が低いので、まるで自分がクルマと同化したように感じられるだろう。

GT2に乗り込むと、「自分はこのクルマが可能な限り良好に性能を発揮するために不具合のない動作を求められた可動部品のひとつなのだ」という気がしてくる。しかしそれは決して不快ではなく、むしろとても気分を高揚させる感じだ。

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