回顧録 アストン マーティンV8 ヴァンテージ vs アウディR8 前編
公開 : 2018.04.15 09:10
今回取り扱うのはアストン マーティンのエントリーモデルであるV8ヴァンテージの後期型です。426psを発揮する4.7ℓのV8エンジンと新しい足回りを備えた実力はいかがでしょうか。アウディR8とのアウトバーンやワインディングでの比較を通して検証します。
もくじ
前編
ー アウトバーンでの超高速バトル
ー 270km/h以上では差が明確に
ー なにからなにまで新しいヴァンテージ
ー 依然として驚異的なR8の走り
ー アプローチの違い
後編
ー アストンの苦手はアウディの得意
ー 超高速域での安心感
ー 感性へ訴えかけるヴァンテージ
ー 真面目な道具と戦える芸術品
ー 走るために選ぶならアウディ
アウトバーンでの超高速バトル
ここはケルンの東。われわれは手始めに、ほどよくカーブがあってうれしいほどガラガラに空いたアウトバーンでこの2台を走らせてみることにした。もうひとりのテスターであるジェイミー・コースターフィンは、私の前をアウディで快走している。彼がそちらを選んだのはR8のGPSナビのほうがより精度に優れていたからだが、個人的にはアストンのほうが気に入っていた。
アウトバーンでのハイスピードランは楽しかったが、4.7ℓとなった新型アストン マーティンV8ヴァンテージとアウディR8のどちらが優れているかを判定するための手段としては、残念ながらほとんど役に立たなかった。しかし、この2台がどういう関係にあるかを説明する一例としてならば、少しは役に立つかもしれない。
アウトバーンのなかでも曲率が緩やかなこのあたりは、150km/hほどで走っているぶんにはほとんどストレート感覚だ。けれどこれが250km/hともなると様相は一変する。すべてが本格的なコーナーだ。アストンのV8が咆哮を上げると同時にアウディも轟音で応える。どうやらジェイミーは引き離しにかかっているようだ。