中古アストン マーティン 買うならどのモデル? 「手の届く上流階級」後編
公開 : 2018.04.28 20:10
ファミリーセダンの価格で「買えるアストン」を探す企画。その後編です。直6とV12の近代アストン。DB7、DB9、ヴァンテージの中古車を乗り比べた記者が選んだのは、一番古い1台でした。
もくじ
前編
ー お買い得 3台のアストン
ー アストン マーティンDB7を考える
ー テールライトは…マツダ
ー アナタはDB9派?
後編
ー DB7とDB9 異なる世界観
ー V12でこの世の果てまで
ー ヴァンテージ 新たな市場を探る
ー 手組みのV12 その走りは?
ー 3台のアストン アナタが選ぶのは?
DB7とDB9 異なる世界観
DB7のキャビンは開放的だったが、それに比べるとDB9には閉塞感がある。スカットルとウエストラインはシートに対してかなり高めで、小柄なドライバーならダッシュボードに前方視界を削られることになる。より力強いクルマに感じられる一方で、周囲のクルマの流れを縫って走ったり、立体駐車場の枠に収めたりするには向かない。それでも、そのサウンドは不自由を補うに十分なものがある。その点のドラマティックさにかけては、一切の手落ちがない。DB9のエンジン音は抜群だ。
イグニッションスイッチをキーでオンにして、ダッシュボード中央に光り輝くガラスのスタートボタンを押すと、V12は穏やかな唸り声で存在を主張する。無論、全てはドライバーを楽しませるべくプログラムされた演出だが、なかなか効果的だ。
今回の取材車は、6速のパドルシフトを搭載するが、不精をしたければスタートボタンの横に並ぶポジションスイッチで自動変速も選択できる。どちらを選んでも、DB9は上品かつイージーで、煩わしさを感じずにドライブできる。しかし、空いたストレートでスポーツセッティングを選び、スロットルペダルを目一杯踏み込めば、柔順さの仮面をかなぐり捨て、牙を剥いてくる。DB7に乗った後では、この大きな重量級GTは途轍もなく速く感じられる。