BTCC熱狂時代 中古で探す、アルファ155/BMW 3シリーズ/ボルボ850 後編

公開 : 2018.04.29 20:10

「中古車」で90年代のBTCCを再現する企画。後編は、ボルボ850 T-5R、BMW 318 iSが登場。まずは、ポルシェ設計の5気筒に火を入れます。自動車業界に伝わる格言「日曜の勝者は、月曜の売れ筋」は正しい?

もくじ

前編
日曜の勝者=月曜の売れ筋
20年後の今 オーナーは次の世代に
155 今では引く手あまたの問題パーツ
155 オーバルコース試乗
ボルボ850が上位 誰が予想した?

後編
空力に有利? ワゴンボディ
試乗 ポルシェ設計の5気筒
Zアクスルサスに病み付き E36型
魅力はハンドリング 318 iS
BTCC黄金期 皆さまも1台いかが?

空力に有利? ワゴンボディ

BTCCの舞台にやってきたボルボ850レーシングチーム。ブランズハッチにおいてヤン・ラマースが駆る大柄なスウェーデン製ワゴンは、まんまと上位グループに食い込んだ。

車重は増し、重量配分も不利、しかもテストは限られていた。しかし、設計と製作、そしてレースマネジメントにTWRが携わったマシンは、戦闘力を証明したのだ。それも劇的に。


セダンのステップダウンしたルーフは乱気流を発生するが、ワゴンにはそれがなくリフトが減少する。結果、高速域でもコーナリング時でも安定性が高まったのだ。

白状しなければならない。ここに用意したT-5Rは1995年に導入された限定車だ。2500台生産されたが、この年はルール改定により、ホモロゲーション取得には2万5000台の生産が必要となった。いずれにせよ、空力規定も変更されたため、チームはセダンへのスイッチを決定していたのだが。

ホモロゲーションのベースは、1993〜94年の2.0ℓエンジン搭載のSE/GLT各グレードだが、せっかくサーキットへ持ち込むというのに、それらはどうにも退屈なシロモノだ。対して、アンソニー・テイラーから借り受けたガルイエローのT-5Rは、その対極にある。


グラファイト色の17インチアルミホイールにロープロファイルのピレリPゼロを履き、ローダウンサスペンションやアグレッシブなフロントスポイラーを組み合わせる。無骨で角張ったボディスタイルを相殺するほどのインパクトだ。子供の頃から食べ慣れたキャンディに、ドラッグを混ぜ込まれたようなものである。
 

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