モーガン・プラス8に試乗 デビューから50年「完ぺきでない」という魅力
公開 : 2018.05.20 07:40 更新 : 2018.05.21 09:48
モーガン・プラス8の50周年記念モデルです。最後のBMW製4.8ℓV8エンジンを、エアロ8ゆずりの計量ボディに組み合わせた現行プラス8は、その見た目同様、最新モデルとは何もかもが違うクルマですが、欠点さえ魅力に感じさせる特別な存在のようです。
もくじ
ー 50周年記念モデル 最後のBMW製V8エンジン
ー やはりクラシックモデル 高速ではヘルメット必須
ー 素晴らしいルックス 驚異のスペック
ー 驚きのグリップ・レベル 最後はドライバー次第
ー 欠点さえ魅力の1台 本物のブリティッシュ・ロードスター
ー 番外編:モーガンのいま
50周年記念モデル 最後のBMW製V8エンジン
おそらく、新車のレビュー記事を専門にした自動車メディアにとっての最大の課題は、こうしたクルマは、苛立たしいほど完ぺきで、故障など滅多に起こさないために、辛辣な批評などしようがないことだろう。
だからこそ、明らかな欠陥を多く抱え、ひとつやふたつはそれなりの問題点も見つけることができるクルマのレビューは新鮮に感じられるのだ。
とは言うものの、もちろんモーガン・プラス8は新しいモデルなどではない。そして、今年で50周年となる区切りの年に、モーガンは現行モデルの生産を終えようとしている。
だが、その前にこれまでの50年を記念して、メカニカルコンポーネントはそのままに、ナンバープレートにちなんでMMC11として知られた、最も有名なオリジナルのプラス8を彷彿とさせる最後の50台を送り出すことにした。
お決まりのナンバリングに加えて、もともとスペアホイールがあった場所はドーム型のアルミニウム製カバーで覆われ、イエローに塗られた牽引フックと、オリジナルのプラス8に似せたデザインのホイール、ホワイトに縁どられた「キャノン」エグゾーストとブレーキキャリパーが備わる。インストゥルメントと内張も専用だ。
ボディカラーには2色が用意され、通常のソフトトップ・モデルにはグリーンが、写真のスピードスター・モデルはブルーとなる。
けれど、このクルマには秘密がある。つまり、現行プラス8が50年前と同じなのは、その名前だけであり、オリジナルモデルは、1968年以来パワートレインとしてきたローバーV8が潰えた2004年に、一旦その生涯を終えている。
いま目の前にあるのは、2012年に登場した、エアロ8にプラス8のレトロ風味のドレスアップをほどこしたモデルであり、このクルマは、航空機由来の接着とリベット接続によるアルミニウム製シャシーと、BMW製4.8ℓV8エンジンをベースとしている。