新型プジョー508 2.0ℓディーゼルに試乗 温厚な乗り心地、軽快なハンドリング
公開 : 2018.06.18 10:10 更新 : 2018.06.18 10:58
セダンともクーペとも違う、ファストバック・スタイルをまとったプジョーの新しい508。ドライビング・ダイナミクスと充分な車内空間に加えて、納得できる品質も獲得しています。かつては花形ともいえたDセグメントのニューモデルを、フランスで確かめました。
もくじ
どんなクルマ?
ー もはや影の薄いDセグメント
ー ライバルよりも小ぶりなディメンション
ー 一度運転すれば、気にいるはず
どんな感じ?
ー 使いやすくなったi-コックピット
ー 温厚な乗り心地、軽快なハンドリング
ー パワーデリバリーに気になるクセ
「買い」か?
ー わたしは想像以上に気に入った
スペック
ー プジョー508 2.0 Blue HDI 180GTのスペック
どんなクルマ?
もはや影の薄いDセグメント
フォード・モンデオやオペル・インシグニア(ベクトラ)、ルノー・ラグーナなどは、かつては、新型モデルが出るたびに話題となったクルマたち。今回のプジョー508もしかり。いわゆるDセグメントに属するセダンやワゴンは、ヨーロッパでは一般的なカンパニーカーの代表格でもあった。営業担当者の社用車として、安く販売されていたクルマだ。
リアウインドウ越しに見えた、ハンガーに吊るされたジャケット。トランクに積まれた営業ツール。年間5万km近い走行距離と作業着。
それらは古い思い出話になってしまったのだろうか。
確かにそんな時代もあったが、プジョー508を購入するひとは、気にもとめないだろう。プジョーのCEOジャン・フィリップ・インパラートも、気にしてはいないようだ。
「508の販売が、プジョー社にとっての利益や損失に大きな影響は、恐らく与えないでしょう。現在の利益の約60%はSUVが生み出しており、残りの30%は商用車です。もはや全体の50%もの利益を生む必要はないのです。価格設定で数を稼いだとしても、残存価値を下げてしまうだけですよ」
と、真剣に話すジャン・フィリップ。しかし実際には、少しは気にしていると思うけれど。
この保守的ともいえるDセグメントのセダンは、今でも世界的に見れば最も重要なマーケットを持つクルマのひとつ。中国の広大な国土には、大きなサルーンを求めるひとが大勢いるし、ヨーロッパにも、いまだに150万人のひとがDセグメントのクルマを購入している。