マセラティ・グランツーリスモMC 2018 最後の試乗 ロマンスこそ存在意義
公開 : 2018.09.12 12:00 更新 : 2018.09.12 16:11
オーダー受付が終了したマセラティ・グランツーリスモMCを最後の英国試乗に連れ出してみました。その登場時期を考えれば仕方のないことですが、いまでは動力性能でもこのクルマを凌ぐ数多くのモデルが存在するいっぽう、ロマンスがあるとAUTOCAR英国編集部は表現しています。
もくじ
どんなクルマ?
ー 最後のグランツーリスモ
ー 数々のオプション 大量のカーボン
どんな感じ?
ー 所有欲をくすぐるモデル
ー 素晴らしいGTカー それでも残る不満
「買い」か?
ー ロマンスで選ぶクルマ
スペック
ー マセラティ・グランツーリスモMCのスペック
どんなクルマ?
最後のグランツーリスモ
モデル末期を迎えたマセラティが誇るベストセラー、グランツーリスモ2018年モデルの「ライトウェイト」なMCを、最後に英国での路上テストに連れ出して惜別の辞を送ろうと思う。
モデナではこのモデルのオーダー受付を終えているのだから、まさにこれが最後だ。グランツーリスモの生産はすでに終了しており、このクルマが欲しければ、ディーラー在庫から探し出す必要がある。では、その必要があるかどうかさっそく見てみよう。
まずはこのクルマについて少し説明しておこう。11年前、このマセラティの4シータークーペは、他でもないフェラーリが設計を担当した405psを発する4.2ℓV8エンジンを積んで登場した。もし、そのルックスとサウンドだけで評価するなら、このクルマはすべてのグループテストに勝利することでその栄光を確たるものとしただろうが、実際にはそうならなかった。それでも、このグランツーリスモはわれわれのお気に入りだった。
その後、439psの4.7ℓエンジンに、オートマティックギアボックスに替えて採用されたロボタイズド・マニュアルギアボックスを組み合わせ、固められたサスペンションと太くなったアンチロールバーを備えたグランツーリスモSが発売されている。
予想通りボディコントロールは改善されていたが、依然としてステアリングの重みは一定でなく、いまではその乗り心地も落ち着きに欠けるものだと言わざるを得ない。それでも当時、われわれはBMW M6よりもこのクルマを高く評価していた(バングルデザインにV10エンジンを積んだ力強さが自慢のM6の価値はそのうち驚くほど上昇するだろう)。
2012年には、ポルシェGT3のようにハードコアで驚くべきサウンドを発するフラッグシップモデルたるMCストラダーレからいくつかのスタイリング上のヒントを得て、グランツーリスモSにもフェイスリフトがほどこされ、その深遠な魅力がさらに増すとともに、パワーアップも果たしている。