トヨタ・スープラ・プロトタイプ初試乗 完成度90%、既にケイマンに肉薄
公開 : 2018.09.21 11:50 更新 : 2021.01.28 18:01
長く待ち望んでいたスポーツクーペにやっと試乗する機会を得ることができました。発売は2019年の5月が予定されていますが、現段階でのクルマの完成度は90%とのこと。スペイン・マドリードの郊外と、サーキットでの印象はどんなものだったのでしょうか。
もくじ
どんなクルマ?
ー BMWとの開発に7年
どんな感じ?
ー 車内に感じとれるBMWらしさ
ー 乗り味はすでに好印象
ー もう少し硬くしたいダンパー
ー 気持ち良いエンジンとパワーに勝るシャシー
「買い」か?
ー ケイマンの牙城を崩せるか
スペック
ー トヨタ・スープラ・プロトタイプのスペック
どんなクルマ?
BMWとの開発に7年
ボディには偽装のラッピングが施され、ダッシュボードにも、地の厚い布がかけられ覆われている。生産までにはまだ8カ月もの時間があり、歴然とプロトタイプの様相だ。クルマに近づく時は必ず担当者も一緒に近寄って来るが、スペックなどの数字に関する質問には答えてはくれない。
彼らが主張するには、数字は重要なことではないという。 でも、重要でない情報なら、なぜ教えてくれないのだろうか。今時点で重要なことは、ドライビングフィールがどんなものなのか、ということだという。
そのドライビングフィールは、今思い返しても少し興奮する。想像以上に速かったのだ。試乗会には4台のプロトタイプが姿を見せていたが、多くのトヨタの関係者やマネージャーに対しても、デモンストレーションを行っていた。
BMWとトヨタが協働すると発表されたのが2012年。情報が限られる中、スープラにとっては、あまり好ましい情報には思えなかった。トヨタ単体だったとしたら、生み出すのに7年も必要だっただろうか。
確証の取れているスープラの情報は多くはない。3.0ℓの直列6気筒エンジンを搭載しながら、GT86よりも重心が低い。BMWを尊重してか、ZF製の8速ATを介して、後輪を駆動。BMW M製のアクティブ・リミテッドスリップデフも採用される。BMW Z4と同様に、前後の重量配分は50:50。正確な数字はわかっていないが、おそらく最高出力は344psあたりで、最大トルクは48kg-m前後だろう。車重は1500kg程度になるはずだ。
ボディパネルは鉄とアルミニウムが部位によって使い分けられ、レクサスLFA並みのボディ剛性を確保。ホイールベースはおよそ2440mmで、トレッドは1600mm前後だろう。グレードとしては、高性能版が先に発表され、低いグレードのモデルは後発となるはず。トヨタへの注目を保つため、生産が開始される来年の5月以降にも、情報が小出しに発表されることになる。偽装が外されたクルマは、2019年1月のデトロイト・モーターショーでお披露目される予定。
今回加える正確な情報があるとすれば、運転が楽しい、ということだけだ。だとしても、読者も気になるはず。