長期テスト ポルシェ911(4) あえて称える、クルーズコントロールの不可欠さ
公開 : 2018.10.01 20:10
毎日乗れるスポーツカーとして、その評判に相応しい出来かどうかを確認すべく始まった911の長期テストですが、不満はクルーズコントロールが装備されていないことにありました。今回はクルーズコントロールにまつわるあれこれをご紹介します。
もくじ
ー 積算9297km クルーズコントロールは必須
ー 単なるレバーには非ず ますます運転したくなる
ー テスト車について
ー テストの記録
積算9297km クルーズコントロールは必須
ステアリングコラムから延びるただのプラスティックパーツに過ぎないが、これがわたしと911との生活を変えたのだ。
オプションを含めて6桁ポンドのプライスタグを掲げているにもかかわらず、クルーズコントロールがないことに驚かされたのを覚えていらっしゃるだろうか? 迂闊にもそこまで考えが及ばなかったのだ。ポルシェからこのクルマの細かな仕様を知らされた時、オプションリストにクルーズコントロールの記載がないのは、それが標準装備だからだと思い込んでいたからだが、実際には違った。
クルーズコントロールは重要だろうか? 一度もその機能を使ったことがなく、むしろその存在を嫌っているひとたちがいるのは知っている。そうしたひとびとは、ドライビングの一部をコンピュータ任せにすることでクルマとの一体感が薄れるだけでなく、安全上も問題だと言う。だが、わたしは違う意見を持っている。
GPSナビとともに、クルーズコントロールはクルマにとってもっとも重要な装備だとさえ思っている。温かなシートとデジタルラジオでしか聞けないBBCの番組のファンだが、わたしにとってはヒーター付きシートやデジタルラジオよりも、クルーズコントロールの方が重要な装備なのだ。渋滞にはまり込んだり、朝のラッシュの時間帯に空港へ向かわなければならないような事態は避けているので、わたしが運転するのは交通量の少ない道路であり、そんな時クルーズコントロールがその威力を発揮する。
知りたかったのは、この問題にどんな対応ができるかということであり、まず確認すべきは911にクルーズコントロールを後付けすることができるかどうかだった。数多くのアフターマーケットパーツが存在することは知っているが、純正品含め、自分の911にこうした部品を取り付けるのに躊躇していたので、ポルシェにクルーズコントロールの後付けが可能かどうかを問合せたところ、その答えは取付け可能というものだった。