ドライバーズカー選手権2018(3) ポルシェ911 GT3 RS、まさかの敗退

公開 : 2018.11.24 17:10  更新 : 2018.12.04 15:14

恒例となった、今年ベストのクルマを決める通称ハンドリングデイ。話題を呼んだ珠玉の10台の中から、2018年の英国ベスト・ドライバーズカーに選出されるのはどのモデルでしょうか。残るは上位4台。多少の番狂わせも、いつものことといえるでしょう。

もくじ

去年優勝したポルシェ911でも、GT3 RSは4位
残るはトップ3
アルピーヌA110が3位の不思議
総合的にあと一歩及ばない
フェラーリ488ピスタか、マクラーレン600LTか

去年優勝したポルシェ911でも、GT3 RSは4位

今年の英国ベスト・ドライバーズカー・コンペティションで4位に付けたのが、ポルシェ911 GT3 RS。この結果にも驚いている読者がいるかも知れない。サーキットでは今回優勝したクルマと同じ、合計113ポイントを稼いでいる。しかし一般道での振る舞いが、表彰台を逃してしまった。

サーキットでのポルシェは驚異的だった。「ほとんどの場面でクルマの挙動が予想でき、素直で柔軟性の高いハンドリングを保持」とマット・ソーンダースはノートしている。そして、この中でのベストエンジンでもあったとも。マット・バードのノートは絶賛の言葉で溢れていたし、もう一度運転したいと話していた。

わたしもサーキットに最適化されたパッケージに心を奪われてしまった。ブレーキやグリップ、コーナリング、トラクション。サーキットでは、これまで運転した中でも一番に非の打ち所がないクルマだといえる。

しかし、価格が上がったうえに、標準のGT3やGT3ツーリングパッケージが備えていた、一般道でのしなやかな走りが、GT3 RSには備わっていなかった。RS単体で見れば、許容できる範囲だったのかもしれない。ポルシェが従来以上にサーキットに特化させると表現したGT3 RSは、あまりにもそれを具現化しすぎていたのかもしれない。それなりの見返りもあるとはいえ、一般道では跳ねるほどサスペンションは固く、GT3のような身近さが、やや遠くなってしまった印象がある。

過去には、ポルシェ911Rがフェラーリ488GTBやマクラーレン675LTを破った年もあった。マット・ソーンダースが「もし別の年なら、勝者は変わっていたかもしれません」と話すが、われわれテスターとしても、どこか釈然としない部分があることは確か。だが、どこかで線を引かなければならないことは何でも同じ。一般的にスポーツでも、上位3位までとそれ以下とでは明確な差がある。表彰台に立ち、首から輝くメダルを下げられるのはトップ3名のみなのだ。

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