試乗 ホンダNSX 2019年モデル 変わったところ、改善希望のところ
公開 : 2018.12.06 10:10 更新 : 2018.12.06 10:28
ホンダNSXに吉田 匠が試乗しました。2019年モデルは、印象がどう変わったのか? また、改善希望のポイントをまとめました。AUTOCAR読者の皆さんは「買い」だと思いますか? まずはご覧ください。
もくじ
どんなクルマ?
ー NSXの2019年モデルのポイント
どんな感じ?
ー もう少し「色気」のようなものが……
ー 「コーナリングの限界が高まったのは間違いないが……」
「買い」か?
ー 「買い」かどうかは、あなた次第
スペック
ー ホンダNSX 2019年モデルのスペック
どんなクルマ?
NSXの2019年モデルのポイント
ホンダのスーパースポーツ、NSXの2019年モデルを箱根で走らせた。
2016年に発表された現行NSXは、1990年デビューの初代に続く2代目で、ホンダのフラッグシップではあるけれど日本生まれではなく、アメリカで開発され、アメリカで生産されている。
その機構上最大のポイントは、ミドシップに搭載するガソリンエンジン+9段DCTに加えて、3基の電気モーターを使ったハイブリッドシステムを採用していることで、そのうちの2基は前輪に装着されてそれを駆動する。だから駆動方式は4WDということになる。
エンジンはイタリアの同類のようなV8やV12ではなく、初代NSXと同じV6で、排気量は3.5ℓ。それをツインターボで過給し、507㎰のパワーと56.1kg-mのトルクを絞り出す。それに加えて、前輪に27㎰と7.4kg-m×2基、後輪に35psと15.1kg-m×1基のモーターを装備する。
この2代目NSX、発売から2年間で1900台余りを世界で販売した。もちろん販売台数1位はアメリカだが、2位は日本で、予想を大きく上回るおよそ400台のオーダーを受けたという。結果、2000万円以上の2ドア車の日本におけるトップセラーとなっている。
さてそのNSX、開発責任者が日本人に変わったが、その結果として2019年モデルにどのような変化が生まれたのか。
まず目につくのはエクステリアで、フロントのノーズ先端をボディ同色に換え、同時にオレンジ色の新色を加えるなどして、魅力を増している。その一方で、最大の変更点はコーナリングを中心とするダイナミクス性能の向上にある。
そのために、4輪ウィッシュボーン式サスペンションの強化が図られた。例えばフロントスタビライザーを26%、リアスタビライザーを19%、リアのコントロールアームブッシュを21%、リアハブを6%、それぞれ剛性を上げている。それに加えて、車両特性を選択するインテグレーテッドダイナミクスシステムの各モードの制御を変更、といった具合だ。
なお、消費税込みで2370万円という、日本車で最高額となるプライスは、フェイスリフト後も変わっていない。